開発部門のある会社組織の今どきのよくある実態

2024年5月5日

日記

eyecatch システム開発を仕事でしていると、いろいろな会社からエンジニア不足で困っているという相談を受けることがあります。 どんな業種の会社でも、ホームページすら自社内で制作できないので、出来る人を雇いたいとか・・・ 最近では1年以上も居続けない開発者が多く、みんなすぐに辞めてしまうとか・・・ エンジニア不足って、一体何なんでしょう? エンジニア以外でも世の中人材不足と言われているけど、人材が十分にそろっている会社なんてあるのか? なんて事を考えながら、開発部門についてのユゲ式組織論を書いてみたいと思います。

エンジニア紹介して相談

先日もインターネットサービスを展開している会社さんの担当役員(お友達)から人事に関する相談をされました。 自社内の開発スピードをもっと加速させたいのだそうだ。 でもその会社はCTOというか、技術責任者と呼べる人がいなくて、開発者採用に非常に苦戦しているのだそうです。 ちなみに、この会社さんも、開発員がどんどん辞めて言って今では正社員が2人、契約している業務委託の人が多数いる状態なのだそうです。

現在の活動

人材エージェント会社にはすでに声を掛けてあるんだけど、紹介してくれる開発者は、どれも採用できるレベルではないとのこと。 ニッチモサッチも行かないのでユゲタに相談をしたという事らしい。 でも、実はこの会社さん数ヶ月に一度(季節ごとぐらい)のペースで同じ話をされていて、その都度知り合いのエージェントを紹介したり、 知り合いのSES会社などの紹介をしたのですが、その後まったく進捗せずに、ズルズルとしてしまう傾向がある会社なのです。 正直、別会社だし、自分には何のメリットもないし、こちらが何かしら提案や紹介しても無碍にされるので、放っておいてもいいのですが、 自分のお人好しに少し呆れる面も感じています。

ベストプラクティス

とりあえず、前向きに提案してみました。 まず、開発部門の責任者を明確にするという点、 相談されている役員の人は、 ・非エンジニアなので、技術者の評価はできない。 ・今残っている自社のエンジニアは、スキルもさほど高くないしマネジメントなどができないリーダー気質が無いので、責任者に向かない。 このように言っている・・・ということは、組織としての責任者が存在しない会社ということになります。 開発スピードを上げたいというのはよく分かるのだが、まずは組織体制を整えることが先なのではないか?と考えてしまった。 この会社だけじゃなくて、こういう会社さんは意外と多いんですよね。 下の段を抜きまくったジェンガのようです。

良いエンジニアの定義

「良いエンジニアを採用したい」と漠然と言っている会社組織の人に対して、 「良いエンジニアってどんなエンジニアなんですか?」って聞いてみたら何て応えるでしょう? 恐らく、次のような回答が返ってくる事が予想できます。
・自社の使っている開発言語が3年以上の経験者。 ・人柄が良くて、ちゃんと会話ができる人。 ・課題に対して、ちゃんと設計ができて、経営層に対して提案ができる人。
そんなヤツ、そうそうおるわけないやろ!!!! そう言いたくなる気持ちを抑えていると、「ユゲタさんみたいな人」って言われることもあるんですよね。 うれしいですけど、自分の分身を探してくれって、ちょっとだけ失礼な感じもするのは、ボクだけでしょうか?

まず動け

とりあえず、紹介をしても自社内のゴタゴタでなかなか進捗しないこの会社には、とにかく何かしら進めるということを言って差し上げました。 そして、組織のあるべき姿として、欲しい人材は、その通りのスペックを探すのではなく、その原石を探して、自分たちで教育するというスタイルに返ることをオススメしておきました。 いい人材が集まって、全員が成長を感じて、良い組織が作られていくモノなんですよね。 いい人ばかりを集めても決して良い組織になるという保証もないので、その組織の構築過程を一緒に体感できる共有感が重要だということに気がついていない会社さんでした。

良いエンジニアの原石とは?

エンジニアを採用する時に、育てがいのある良いエンジニアの原石ってどういう風に見分けたら良いかというのを、自分思考でまとめてみました。
・前向きな人。 ・楽しく話しができる人。 ・プログラミングが好きな人。(ビジネスライクじゃない人) ・クリエーター気質を持っている人。 ・プログラミング以外の趣味を持っている人。
そうです、プログラミングの経験はほぼ皆無でも初心者でも構わないんですよね。 むしろ初心者でエンジニアの原石を見つける方が重要なのかもしれません。 特定のプログラム言語に固執しているエンジニアは、とにかく扱いづらいという記憶があります。 言語エキスパートの人すみません・・・ あくまで、組織の成長に合わせたエンジニアの原石を探すという点で考えた場合の話しなので、こうした採用をしたい人はこのように考えてみるといいかもというご提案です。

良い組織の定義

開発組織のコンサルティングを行う際に、上層部に向けてユゲタが必ず言う事があります。 それは、「良い開発部門の定義は・・・」という話です。 多くの場合、「生産性が高い組織」とか「他部門との連携が良い」とかストレートな答えが返ってきますが、 ユゲタの定義は、いつも次の事を伝えています。
社内勉強会を頻度高く行っている開発組織
一人だけ能力の高い技術者のいる組織って、仕事もスキルも能力も生産性も、偏りまくっているので、多くの場合社内がギスギスしてしまいます。 また、スキルが高い人が鼻高な人だった場合に、組織のパワーバランスが良くない感じになるケースも少なくないですね。 なので、後輩を育てるというリーダー気質や、新しく自分が知った技術を他の人に共有できるという勉強会が随時行われている開発部門というのが、 開発員のモチベーション向上とそれに合わせて企業の生産性、なんなら売上向上などにも影響してくることは容易にわかるますよね。 これに気がついていない組織の人、一度ユゲタに開発組織内の診断を受けてみることをオススメします。

あとがき

開発組織の構築に困ったら人材エージェント会社に連絡をしている人、ソレ間違っている事が多いですよ。 開発員が社内に居着かない組織は、新しいエンジニアを採用してもすぐに辞めてしまうのがオチです。(そらそうですよね) 実はエンジニアは、報酬が高額だと考えている採用者も多いと思いますが、 エンジニアは実は給料よりも、自己成長と、自分の知らない技術に触れる環境の方が優先順位が高いというリサーチ結果もあります。 要するに、成長できる組織に属することは、給料が安くても居着きやすいという事でもあります。 もちろん、背中を見て自分が成長できる優秀なエンジニアがいる環境だったり、 自分の構築したいサービスを自分の思考で構築できるという環境だったり、 そうしたことを度外視している開発組織は、エンジニアが頻繁に入れ替わりしている傾向があるのも事実でしょうね。 耳が痛い経営者の人も多いと思いますが、まずはそうした環境構築に視点を置いてみると、今やることは優秀な開発員の採用ではないことに気がつくと思いますよ。 なんやかんやの言い訳を並べ立てて、技術者がいないことが組織の課題としている会社さん、重要なのは環境ですよ・・・と言いたい。 そんな事わかってるよ!と言い返されるのもなんとなく想像できますが、ちょっとでもエンジニアの事を理解してくれる非エンジニア上層部が増えることを願ってブログを書いてみました。

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