
開発の仕事をしていると、ときどき「無理だろ…」と心の底で叫びたくなる瞬間があります。
特に、中長期的に会社を変えるための
大改革プロジェクトに巻き込まれた場合、その矛盾は一層際立ちます。
自分の立場は、外部のシステム開発者兼コンサルという、キラキラして聞こえるかもしれないが、要するに背中を見せつつケツを叩く役割。
現場の社員から見ると頼れる存在と言うふうに見えるかもしれない。
でも、社員は常に
プロジェクトに不満を抱え、愚痴や保身の発言も出ています。
短期で成果を出さなければならないプレッシャーと、長期で会社を変えたい思いの間で、自分的に板挟みになる瞬間もあります。
今回は、そんな時どうする?的なブログを書いて、自分の思考を整理しておきたいと思います。
「無理ゲー」と「現実」の分け方
まず大事なのは、何が
無理ゲーで、何が
現実かを整理することです。
とりあえずの現状は以下の通り、
経営層の指示
「売上改善を急げ!」
という、数字主義。
現場の負担増や非現実的なスケジュールは、ほとんどの場合、
現場が背負うという無理ゲーです。
現場社員の声
「でもやること増えすぎ…」
という、発言の連発。
ネガティブは不満の裏返し。
自分としては、こういう愚痴に巻き込まれる必要はありません。
情報として受け止めればOKと理解する。
プロとしての自分の役割
「システムを作る+将来を見据えて改善案を提示する」
コレに集中することで、自分としての心の消耗を最小限にできます。
だって、自分はその会社の正社員でもなければ経営者でも無いという、少し客観的な味方ができる請負いの
開発員+コンサル員ですから。
その会社の中の人が見えていないものがいっぱい見えているのも事実なんですね。
短期成功は「安心」を作る
無茶振り短期で成果を出すことは、単なる
業務達成ではありません。
確かに無茶なスケジュールをこなすという事は、それだけで達成感はあります。
でも、味を占めた経営者は、さらに無茶振りMAXな依頼をどんどん積み重ねる傾向があります。(これはどの会社でも同じ傾向がありますね)
ちゃんと社員に安心感を与えることが重要で、経営層に「進んでいる」という実感を作るって、作業ボリュームの上限を理解させる事が重要です。
ポイントは、小さくても形になる成果を切り出すこと
「完璧を目指すのではなく、現状で示せる最適な成果」を作ると、プロジェクトの勢いは維持できます。
「諦める」というのではなく、「将来的に可能かも・・・」ぐらいに言うのが個人的なテクニックですね。
中長期は「投資」として動く
同時に、システム改善や技術負債の解消は「短期成果のための投資」ではなく、
会社を本当に変えるための投資です。
ここに時間と予算を割くことが、長期的な安定や成長につながります。
だって、この会社は、これまで20年近く、同じシステムで技術負債をために溜め込んだ、技術負債メガバンク状態になっているんですから、こういう視点が持てていないのもよくわかります。
ポイントは、見える化
・短期でここまで改善
・中長期でこうなる
この2段構えを示すだけでも、経営層と現場双方の心理的負荷はぐっと減るはずです。
これに関する資料作りを都度するのは大変ですが、それもコンサルの宿命。
愚痴は背負わない
社員の愚痴や保身の発言は、
情報として受け止めるに留めます。
「自分が悪いのではない」「会社の無理スケが原因」と線を引くことが、自分の心を守る鍵でもあります。
従業員の愚痴も冗談のように聞こえるドギツイ発言も、事実として整理して、改善策につなげるという思考で聞くようにします。
こうして、ネガティブなエネルギーをポジティブな行動に変換できるんですね。(かなりのテクニックかも・・・)
板挟みでも前に進む
無理ゲー、短期プレッシャー、長期投資の板挟み…
これらどれも現場では避けられない課題ですが、整理と線引きがあれば、精神的負荷は軽くなります。
・短期成果で安心感を作る
・中長期投資で未来を作る
・愚痴は情報として整理し、背負わない
この
三本柱を意識すると、「しんどい現場」でも、自分の役割に集中し、プロとして前に進むことができます。
あとがき
とりあえず無理ゲーでも、目の前の一歩が未来を変える。
キレイ事かもしれませんが、正直コレしかないんですよね。
「背負いすぎず、でも投げ出さず」に、今日も一歩ずつというのが、自分のモットーでもあり、とりあえずその会社から逃げないための思考でもあります。
最後に、その会社の従業員は、愚痴を言うが、改善の提案や、前向きな発言をする人は、なかなか少ない。
言っちゃ悪いが、思考レベルが極めて低いとも思われる。
誰がとは言わないが、個人的には、経営者としてそういう会社にしてはいけないという反面教師として見る事で、ある意味学習にはなっているかもしれないけどね・・・
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