NewSQLについての考察とSQLの未来予測

2025/10/21

sql 学習

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eyecatch データベースの分散化は、論理思考とアイデア思考の両方が必要になります。 そもそも、今現在(このブログを書いている時点)でのデータベースの種類って、大きく2種類あって、 RDBとNoSQLですよね。 2次元のテーブル構成(エクセルのような)を複数もつリレーショナルデータベースのRDB。 JSONなどの柔軟なデータ構造を持つことができる、NoSQL。 どちらも「冗長化」や「レプリカ」という仕組みで、負荷分散をすることはできるけど、 どちらも以下のような課題が存在します。
書き込みと読み込みのバランス 整合性と可用性のトレードオフ(CAP定理) ネットワーク遅延による一貫性の問題
これらの課題がたくさんあるのが現実です。 それらを解決すべく、"New SQL"という新たな設計志向のSQLが登場してきていて、それぞれ本番で使い始められているという話を小耳に挟んだので、 ちょっと調べて、情報としてゲットしておきたいと思います。

既存のSQLの課題とは?

RDBの最大の長所は「トランザクションの一貫性(ACID特性)」ですが、同時にそれが分散化の壁になっています。
- 水平スケールしにくい - ノードをまたぐとトランザクション整合性が崩れる - シャーディングやレプリケーションの管理が複雑 - 障害復旧やフェイルオーバーが難しい
つまり、単一ノードでは強いが、分散環境では弱いというジレンマです。 一方のNoSQLは、その反対。 スケールアウトは簡単ですが、整合性が犠牲になります。 この「一貫性」と「スケーラビリティ」のどちらを取るか、という永遠のテーマが、既存DBの限界を示しています。

New SQLとは?

NewSQLは、簡単に言うと、
RDBの一貫性を保ちながら、NoSQLのようにスケールアウトできるSQLデータベース
です。 つまり、両者のいいとこ取りを狙った仕組み。 特徴を挙げるとこんな感じです:
- SQL構文は従来のRDBと同じ(既存システムとの親和性が高い) - 分散トランザクションをサポート(ACIDを保ちつつスケール) - メモリ中心のアーキテクチャで高速化 - ノード障害時も自動で再構成可能
代表的なプロダクトとしては、
- CockroachDB(分散トランザクション型RDB) - TiDB(MySQL互換の分散SQL) - YugabyteDB(PostgreSQL互換で強整合性)
などがあります。 このあたりは、まさに「分散システム+データベース理論+実運用のバランス取り」を極めようとしている設計思想です。

New SQLを使うには?

とはいえ、NewSQLを導入するには、いくつかの前提があります。
- クラスタ環境(複数ノード)を前提としたインフラ構成 - コンテナやKubernetesとの親和性を意識した設計 - データ整合性と可用性をどう扱うかの理解 - 既存RDBとの互換性・マイグレーション戦略
つまり、「入れ替えればOK」ではなく、「設計思想を理解して使う」必要があります。 特に、障害時の動作やネットワーク分断時の挙動など、NewSQL特有の挙動を把握しておくことが重要です。

個人的見解

個人的には、NewSQLは「データベースのRAID化」として見ると分かりやすいと思っています。 RAIDが「ディスクを束ねて信頼性と速度を両立」したように、 NewSQLは「ノードを束ねて整合性とスケーラビリティを両立」させるアプローチです。 つまり、
“RDBの単一ノードの世界を、クラスタという物理的制約から解き放った思想”
これがNewSQLの本質なのではないかと思います。

あとがき クラウド時代になって、アプリケーションが分散化していく中で、 データベースもまた、「単一サーバーの限界」を超える設計が求められています。 NewSQLはまだ発展途上ですが、 RDBとNoSQLの中間に「第3の選択肢」として確実に存在感を増してきています。 次の時代のデータベース設計は、 「分散前提でどう整合性を守るか」という論理思考と、 「どんな構成なら現実的に運用できるか」というアイデア思考の融合が鍵になりそうです。 近いうちに、自分のパソコンや、クラウドサーバーにインストールして、いろいろな実験をしてみたいと思います。 でも、こんなのが必要な膨大トラフィックは、なかなか仕事でも出逢いませんよね。

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