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「初対面の人と3分で深い話ができる」という帯キャッチに惹かれて読んでみました。
そう言えば、自分は人と話す時に無難な事しか質問できてないな〜って考え込んでしまいますね。
お偉いさんなどと話をする時に、気の利いた一言の質問なんかできると、これは自分の評価も上がるというものですよ。
こんな嫌らしい魂胆アリアリで、読みますよ。当然じゃないですか。見返りが自分にないと本読んで勉強しませんからね。
学べた内容
アクティブリスニング
冒頭のプロローグの内容ですが、カウンセリングにおけるアクティブリスニングというテクニックは、聞き手が相手の話を聞きながらうなずきをして、共感を深めていき、相手の深い話を聞き出していく手法ですが、聞く姿勢というのはコミュニケーションで色々な書籍に書かれていて、改めて傾聴姿勢の難しさを学べました。
出題者の意図
筆者の斎藤さんが受験生の時の話で、国語の問題に関して、問題作成者(質問者)の気持ちに立って考えると、「テストはあっけないほど簡単に解ける」と言っている。
個人的には非常に目からウロコでしたね。
確かに難しそうに聞こえますが、人の考え方という心理傾向を掴むことで、もし自分だったら答えを先に考えて問題を作るだろうな・・・と思ったら、重要キーワードが答えになるし、選択文も、どういう意図での回答群なのかが理解できるかもしれませんね。
クイズ番組などを見ていてそういう心境になることありませんか?出題者の意図がミエミエの問題に出会うと「しめた!」と思ってなんだか少し優越感に浸れます。
これがテストに利用できるとすると、それは偏差値も上がるってもんでしょう。
教育欲
人は相手に対して教えるという欲求を持っていて、それを利用して質問にすることで、非常に質の高い質問ができるという事です。
確かに、相手の得意分野に対して「自分は初心者ですよ、丁寧に教えてください」という質問をすると、楽しそうに話を進めてくれる人は多いですね。
職種で言うと専門職の人は、こうした相手に対して説明をしたがる傾向がありますからね。
かくゆう僕もそうかもしれません。
谷川俊太郎の33の質問
他書籍ですが、斎藤先生はこの本がえらくお気に入りのようで、ほの書籍内では結構な割合でこの本の内容と紐付けて解説されています。
確かに書かれている内容を見ていると、僕もこの本を読んでみたくなりました。Amazonでポチ買いしておくことにしましょう。
オウム返し技
話し相手の行った言葉をそのままオウム返しするという簡単な技でも、相手にとってはちゃんと話を聞いてくれているという意識が働き、お互いの関係性が深くなりやすくなるのだそうです。
少し上級の技としては、オウム返しする際に、少しだけ話しをずらして行くことで、自分の聞きたい内容に導いたり、相手の話す内容をバリエーション豊かにしていったりと、こういうコントロールができるようになることが、質問力が高いという証なのでしょう。
書籍としての感想
明治大学文学部教授 齋藤孝のホームページ
斎藤先生はテレビなどでもよく見かけるので、人となりはわかっていたつもりですが、本の中でちょいちょい出てくる毒舌が、少し意外な印象もあり、軽く引いてしまう内容でもありました。
自分の息子に、「なんでなんで」という子供っぽい質問をされて、ブチ切れてしまうくだりや、学校で生徒に質の低い質問をされて、軽く切れて指摘しているセリフなど、
テレビで見てると温和に見える先生との対比感が半端なく、結構毒っ気がある人ということが伺えました。
しかし、本の内容はどれも勉強になることが多く、思わずメモしながら読み進めていしまいました。
記憶に残っている箇所は、「宇多田ヒカルとダニエル・キースの対談」という、創造もできないような対談ですが、この2人はニューヨーク出身のニューヨーカーで、お互いに質の高い質問のやり取りをして、非常に深い話ができている内容が書かれていて、年齢差の人に対する質問を非常に分かりやすく扱ってくれていました。
質問力フレーム
この書籍の一番勉強になった点として、質問のフレームが書かれていた点です。
フレームとは、よくあるビジネスフレームのような感じで、質問に関してもフレームで考えて、自己評価したり、質問をする時の質の高さを自分で認識できるように(しかも瞬時に)することで、スキルアップできる事を図解化した内容で、とても簡単に理解することができます。
ちなみに、書籍で紹介されていたフレームは以下のようなモノです。
1.
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「具体的」と「本質的」をフレーム化しているのですが、左下の「どうでもいい質問」って必要なのかというと、朝の挨拶や、エレベータで一緒になってしまった時など、社交辞令という時に必要な質問力なのだそうです。
ありますよね〜、気まずくなる空気の時、こういう時に無難な質問ができるというのも重要な質問力なのだそうです。
2.
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こちらのフレームは、ビジネスよりというより、プライベートや、子供との関係性において、質問を理論的に考えた内容ですが、普段何気なく話をしている事をこういうフレームに当てはめて考えてみると、自分の質問レベルがよくわかります。
おそらく、非常に身近な人には、左下の「聞いてみただけの質問」をしていることに気が付きませんか?しかもその質問は答えを求めていなかったりしますからね。
初対面の相手にこんな質問をしたら、イラッとされてしまうでしょうね。
でも、社会人でもいますよこういうタイプの人。
3.
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3つめは、テレビなどで対談する時の質問フレームですが、ビジネスにおいてこうした質問フレームが頭に入っていると、カウンセリングやコンサルティングを行う時に有効なのでしょうね。
質問力の持論
この本を読んで理解出来たことは、いい質問をした時に、相手の反応も違う上、相手からの自分の評価にも繋がるという事ですが、身内やフレンドリーな関係の友達などにおいて、こうした高い質問力で接することで、より深いコミュニケーションが図れる事がイメージできました。
できれば、セミナーなどに参加した時に、質の高い質問ができるようになりたいものです。
何でも日本人の特徴として、講義終わりに質問タイムに入ると、その時から質問内容を考え始める人がほとんどらしく、欧米では、話を聞きながら質問事項をメモっている人が多いとの事です。
相手にうなずきながら強調する日本人タイプと比べ、話しを聞きながら相手に対するwhatやwhyを考えられる外国人は、より高い質問力を持っているのかもしれませんね。
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