
会社面接で面接を受けている人が緊張している姿をこれまで何人も見てきましたが、「面接はその会社を見極める場」という思考で臨んでいる人は、社会人勝ち組じゃないかと思います。
でも、その反面、面接官も偉そうにしている人、慣れていない人、会社内の文化を他の会社よりも良いと井の中の蛙状態の人、などなど、色々いてこっちの方が観察しがいがあるのも個人的見解です。
そして、面接官になりたての人が「面談者に何を聞けば良いかわからない」という声を聞いた事があり、
基本的にはコミュニケーション力の向上にもつながるし、他人に対するメタ認知的な能力向上にもつながるのではないかと思ったので、
個人的に面談時にする質問をまとめてみました。
採用面談や、初めて会った人への質問にご利用ください。
少しエンジニア寄りになっているので、別の職種の場合は、内容を置き換えてご使用ください。
基本情報の裏を取る系
比較的スタンダードな質問です。
「この職歴の中で、一番しんどかったプロジェクトってどれですか?」
経歴書が膨大にある場合に、全部に目を通す必要はありません。
パッとみた時に、自分が気になる点と、本人がしんどかったポイントが合ってても、違っていても次の質問につながります。
「前職の“やりがい”って、言葉にするとどんな感じでした?」
モチベーションがどのくらいあったかという点と、本人のやる気バロメータや、仕事に対するスタンスなどが返答の節々から拾う事ができます。
「退職理由をもう少し感情ベースで教えてもらってもいいですか?」
日本国内の転職理由は、9割以上「人間関係の問題」です。
その時の感情について深掘りをすると、その人の本音も含め、人間関係の構築スキルや、対人コミュレベルなどが探れます。
チームワークを探る質問
「過去に“合わない人”とどう付き合ってました?」
自分の合わない人が、どういうタイプかでその人の人間的特性が理解できます。
また、合わない人というのを自己認識できているような話し方をするのか、
それとも、単に過去にムカついた人の悪口をいうだけなのかで、その人の器を測る事もできます。
役職者の採用の場合は、この質問で徹底的に本音を丸裸にするのがオススメです。
「周囲と意見が割れた時、どんな行動を取りますか?」
これは、その人のディベートスキルを測る質問です。
他人と意見が同じ方が良いという日本国民特有のざれ合いコミュニティに慣れている人は、
他人と意見が違った場合に、なんだか居心地が悪くなったり、他人の事を悪く考える傾向があります。
自分の身が正しいのか、本当のゴールがどこにあるのかを追求する姿勢はエンジニアには必要不可欠ですからね。
「Slackでの雑談って、あなたにとって必要ですか?」
雑談力は必要だけど、チャットでウザいぐらいの雑談を繰り広げる環境って、正直どのように感じるかは人それぞれです。
チームワークと雑談力は、団結力が高いほど密接になってきますが、
上部だけの付き合いのチームワークの場合は、気薄なコミュニケーションになる場合もよくあります。
実務力を探る質問
「Gitの使い方で“喧嘩”になりそうなシチュエーション、思いつきますか?」
Gitの使い方はチームでちゃんとしたルールを作っておかないと、
ブランチを綺麗に整えたい派、
コミットの文章を統一させたい派、
rebase, squash, fixupなどを駆使して、意地でも整った状態を保ちたい派、
こんな派閥思考をもった人がいると、大揉めに揉めること請け合いです。
これも経験しないと思いつきもしないから、深く開発したりルール構築、取りまとめをしたかを探り出せます。
「コードレビューで納得できなかったこと、ありますか?」
コードは、ヘッドレスから、なんちゃらデザイン思考など、
無数の方式が存在するし、かなりたくさんの派閥がうまれがちです。
こうした派閥に属する人は、同じ言語を使っていても、対立して互いに譲らない事もよくありますが、
それよりも悪い事としては、こうした事を何も考えない、無関心派閥も存在します。
Yes,Noの答えだけで、ある程度その人の力量やこだわりが見える良い質問なんですよね。
「あえて“バグを起こす”コードを書いてもらうとしたら、どこに仕込みます?」
これは不快ですよね。
TDD(テスト駆動開発)を普段からやっている人であれば、比較的スラスラと経験に基づくケースを話すと思いますが、
そもそもTDDを知りもしない人であれば、「バグを書く必要ってあります?」的な質問を返したり「はあ?」という
質問の系を掴めない人もいるでしょう。
かなりエンジニアの本質を見抜ける質問かもですね。
思考と価値観を見る質問
「最近、誰かの仕事に嫉妬したことってありますか?」
他人のコードに興味を持つことはエンジニアとしての成長伸び代がある事を意味します。
この場合の嫉妬の反対は「無関心」と考えても良いので、
よく考えて行動するタイプかどうかという判定も同時にできちゃいますね。
「“やらなくてよかった仕事”って、思い出せます?」
会社員って、正直無駄な仕事が半分近く発生してしまいます。
従業員全体の規則でのルーティンだったり、会社書類でなんでこんな事してんだ・・・的なことは誰でもサラリーマンをしていたら感じると思います。
そんな会社の悪口ではなく、自分でもっとこうすればいいのにという提案に発展できるかどうかを探り出す、思考の口火を切る事が可能稼働かを見極める質問です。
「“あー自分ってダメだな”と思った瞬間に、どうします?」
人間誰でも、完璧に何でもできる人なんていません。
プライドが高い人はそういうところを他人に見せたがりませんが、
成長をするタイプの人は、自分のダメな事を他人にどんどんアウトプットするという
一言で言えば、「わかりませんが言える人」なんですよね。
これを、エピソードトークで言えるかどうかは、その人の将来の成長度合いを見極める非常にいい質問なんですよ。
意外と効くユニーク系
「あなたが“変わってるね”って言われるのは、どんな時?」
この質問をすると、「あまり変わってるねとは言われません」とか「覚えてません」みたいな答えをいう人が非常に多い事がわかります。
ここで、自分ならではのエピソードが話せる人って、正直それ自体が変わっているので、魅力度が増すポイントでもあるんですけどね。
「Slackのスタンプ、乱用タイプ?慎重派?」
LINEのスタンプはめっちゃ便利だけど、Slackのスタンプはデザイン性も高くないし個人的にはさほど魅力は感じないのですが、
チームメンバーとのコミュニケーションでのスタンプは、適度に効率的で有効です。
これを1会話で、何個もスタンプする派と、かなり慎重に死玉の1個を選択する人とで、人としてのタイプが大きく違う事が判断できます。
どっちが正解という訳でもないのですが、自己認識できているかどうかという評価はアリかもですね。
「この会社に一つ“ルール”を追加できるなら、何にします?」
そもそも、その会社のルールを知らないという事も大前提かもしれませんが、
ある程度会社の下調べをして、こんなルールその会社にはないだろうという、大喜利質問です。
でも、そのルールは、確実に会社の効率がよくなる、便利になる、的な要素がないと、単なるお笑いネタに終わるので、
世の中の他の会社のことなどをより熟知している人などであれば、スラスラと答えてくれるでしょう。
逆質問で試される質問
「あなたが面接官だったら、私にどんな質問をしますか?」
これはかなり反則技に見えてしまうので、
面談の最後などに行うと、「コイツ質問することなくなったんか?」と下にみられてしまう可能性もあるので、
あくまで思考チェックをしている程と、そうした雰囲気作りができるテクニックが必要になりますが。
でも、なかなか的を得た質問出しその後のやり取りもアドリブが生きるテクニック系質問です。
「今まで受けた中で“面白い質問”って覚えてるものありますか?」
緊張した中での記憶力って、とても重要で、普段は友達などと笑い話で言い合っているような内容も、
面接という緊張感の中で思い出せないことはしばしばあります。
緊張しすぎていたり、普段と違う環境で、思考が回らないという場合の人は、
転職をしてもなかなか本領を発揮するまでに時間を有してしまう場合があります。
その場を和ませるのも面接官の役割でもありますが、本人にそれを自覚してもらうための、なかなか的を得た質問でもありますね。
「“この会社に入ったとして、3ヶ月後に後悔してそうなこと”って何だと思います?」
この質問、普通はこの逆をきくじゃないですか?
それをあえてネガティブな事を言わせようとするのが個人的に気に入っています。
面接者は、自分もなんでもポジティブによく言おうと必死になっているところを、
こうしたネガティブな事に対する思考に切り替えられるかという臨機応変度を測る非常にイケてる質問です。
あとがき
面接って、「答え」を聞くというより「思考のプロセス」や「価値観」を観察する場なんですよね。
とっておきの質問は、正解を引き出すものじゃなくて、相手が“素”を出せるきっかけになる問いかけです。
ちょっと変化球も混ぜつつ、会話を楽しんでこそ、いい面接官。
あなたらしい質問を、ぜひここから育ててみてください!
ちなみに、面接以外でも、異業種交流会や、初対面の人との会話などでも使える質問テクニックなので、
応用幅半端ないですよ。
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