下手が上手の手本になる見本

2024/03/05

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eyecatch 世阿弥の有名な言葉で「上手は下手の見本、下手は上手の見本」という言葉があります。 この言葉どちらも尊厳を持っていて、コミュニケーションの基本と、誰でも他人から学ぶことがあるという非常に深い言葉ですよね。 「アホか!下手くそなヤツから学ぶことなんかあるかい!」と怒っている関西人もいれば、 「うちの上司、仕事はできるけど人間的に学びたくないです。」と完全拒否している人もいるでしょう。 この言葉をすんなり受け入れることができる人は、言葉の意味がわかると思うんですが、受け入れられない人の気持ちを考えてみたいと思います。

プログラミングにおける上手下手の見本

プログラミングが上手な人は、キータイピングも早いため、コーディングスピードも早い、当たり前のように知識もあれば、出来上がったソフトウェアも問題が少ないという特徴があります。 一方プログラミングが下手な人は、コーディングの際に常に何かしらの調べごとをしながら行うため、どんなにキータイピングが早くても、仕上がりは極端に時間がかかり、何かしらの不具合があった場合に、コピペしまくったコードのどの部分が原因なのかわかりにくいでしょう。 完全に上手下手の上下関係ができていて、上手からはすべての点で真似をしてでも学ぶことができますが、 下手から学べるのは、下手なりに起こしてしまう失敗を「同じ轍を踏まない」的な反面教師のような学習があります。

建築作業現場における上手下手の見本

家を建てる大工さんには、見習いの若手から、棟梁と呼ばれる親方さんまで、様々なレベルの人たちが作業をして1つのしっかりとした家を建てますよね。 職人における上下関係や師匠と弟子の関係でしっかりと成り立っています。 師匠は弟子の一挙手一投足をしっかりと管理なければいけないのですが、優秀な師匠は弟子から多くのことを学びます。 弟子がやってしまった失敗は、自分が教えていない内容だったり、他の弟子が同じ失敗をしないように教えを強化します。 これらのチームプレイで数十年耐えうる家が出来上がっていくことを考えると、そのチームの成長っぷりがハンパないと感じてしまいますね。 これ、複数人のチームプレイをする組織全体に言えることかもしれませんね。

単純化された説明の見本

スキルが上の人がスキルが低い人に対して何かを説明する時に、理解できるように話すことが出来る人とできない人がいます。 エンジニアが話が下手というのは、エンジニアスキルが有る人に通じる単語を連発して話すことしか出来ないため、エンジニアスキルを持っていない人は、まるで外国語を聞いているように感じるようです。 そのため、エンジニアじゃない人でもわかるように話をするというトークスキルを身に着けたエンジニアのみが、人に話すのがうまくなるという事です。 狭い会社のチームのみで作業をしていると、他の人に説明をするという機会が無く、こうしたデメリットに気が付かないエンジニアも多いようです。 これを活気的にスキルアップさせる方法として、スキルの高い人からスキルの低い人に対して、勉強会や講習会を行うという事で、教えている人は、自分の説明スキルをアップさせることができる相互効果が生まれます。 こうした自分の周辺環境に与える影響を、「エンパワーメント」って言うみたいですね。

新しい視点を発見する見本

自分とまるで違う環境の人と話をして、アイデアを得ることがあります。 逆に自分と同じ環境の人とばかり話をしていると、視野が狭くなってしまいがちなんですね。 アイデアマンと言われる人は、知識のインプット量が多い人ですが、読書や自分自身の学習でのインプットよりも、単に他人と話すだけのほうがよほど知識インプットが多いということを知っている人かもしれません。 自分の持っていない知識を知っている人からわかりやすく説明されると、書籍を読む時間の数倍効率的にピンポイントな情報インプットが可能になります。 もちろん、書籍や論文などでしっかりとした根底知識をインプットすることは重要ですが、情報収集は広く浅くから、気になったもののみを深くするのが定石だと考えると、自分のほうが上の立場でも、立場が下で知ってる人に聞くというのは、とても効率的だと言う事ですね アイデア探求とは、上手下手に関係なく、貪欲な探究心が重要なのです。

あとがき

謙虚さを持っている物事が上手な人というのは、人からの好感度が上がります。 逆に、自分よりも下手な人を見下す人は、好感度が皆無です。 好感度は面白いことに、低い人ほど自意識過剰で好感度が高いと勘違いしてしまうようです。 確かに効率の悪い人を見ると、イラっとすることもありますが、それをみて自分の効率を見直すしたたかさは、上手な人のみができる特権と考えてもいいかもしれません。 「人の振り見て我が振り直せ」というのは、日常から心に留めておいて損はない言葉だと思います。 そもそも、自分のほうが相手よりも上手とランク付けをしている時点で、僣り(おごり)なのかもしれませんけどね。 こんな思考を続けていると、仏教などにはまってしまうかもしれません。 ほどほどに。

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