中規模以上の会社が陥りやすいシステム開発におけるセクショナリズムとIT占い

2023年8月28日

テクノロジー ビジネス 日記

eyecatch 仕事でお手伝いさせていただいている中規模程度の会社さん(100人規模の従業員クラス)が、会社内の部門をまたいだ売上管理システムを作りたいというオーダーをいただいた時の話。 その会社は、自社でコンテンツをたくさん作っていて、課金系の有料コンテンツから、広告売上などで大きな利益を得ている企業です。 こうした企業は、1つ1つのコンテンツはさほど大きな売上ではありませんが、コンテンツの量がハンパなく多く、それに伴う売上管理も現在手作業によるエクセルで、管理者が数時間(数日)の手間をかけて作っているのだそうです。 デジタルコンテンツを商材で扱っている会社(いわゆるIT会社)が自社内のITが弱いというのも、自分の感覚ですが、こうした実態の会社さんをいくつも知っているため、笑えない実態でもあります。 小規模から大規模の会社で、こうした経営指標などに関してのデータをまとめることを得意としているユゲタとしては、相談をいただくと、腕まくりをして頑張ってしまうのですが、実はこうした企業におけるシステム開発って、それ以外の問題が潜んでいるんですよね。

中規模企業に潜むシステム開発の闇

基幹システムの開発に携わった人であれば、経験のある人もいると思いますが、どんなに良いシステムを使っても、ITリテラシの低めの従業員がいる場合、今現在やっている手作業を手放せないというケースが多くあります。 要するに、手作業を減らすためにシステムを作って自動化させたはずなのに、結果的にエクセル作業を続けている現状は変わらないという場合ですね。 これは、システムの使い方が難しく、手慣れたエクセルの方が使いやすいと勝手に思考されてしまい、使われない場合と、 不要と判断された機能を開発しなかったために、実はそれらが本の一握りの人たちが使っていたため、エクセルでの作業が止められない場合。 あとは、システム構築を仕切っていた責任者と仲が悪い人たちが徒党を組んでシステムを使わないという嫌がらせに近いボイコット行動をする場合など。 日本の会社では、こうした理由で、せっかくシステム構築をしても、使われないシステムというのが多数あります。 結構、社内政治的な理由って馬鹿らしいですが、意外と多いんですよこの理由。

セクショナリズムは当たり前

今回相談いただいた会社さんは、まだシステム構築の手前の要件定義の段階で社内開発の場に参加させてもらって、それぞれの部門の部門長の話しを聞いている状態です。 当たり前ですが、どの部署の人も自分の部門のシステム化の話しばかりをします。 今やっている作業をどのようなシステムがあれば良いか、こんなシステムが欲しい、今使っているシステムのここがイケてない。 そんな話しをしますが、それらをまともに聞いて作ったシステムは、おそらく使われないシステムになってしまいます。 もちろん、そうした要件定義を聞いた上で、会社全体が使えるシステムとして統合管理できる仕組みを開発する必要があります。 でも、ここで部門ごとに作りたいシステムばかり言わせて、統合管理のシステムを作っても、絶対に使われないシステムになるんですよね。 ヒアリングするSEは、聞きながら同時にそれぞれの部門に、システムが出来上がった後のイメージを植え付ける思考教育を密かに行う必要があるんですよね。 露骨にやってしまうと、引かれてしまうので、ここはテクニックが必要なんですが・・・

セクショナリズムの解決方法

まず、部門長は、中間管理職という世の中で比較的嫌われている職種ですが、経営と現場(自分の管理する部門)を繋ぐ非常に重要な役割でもあります。 この経営の思考が抜けている場合が多いので、自分の部門の事しか考えなくなり、セクショナリズムという考え方が生まれます。 こうした場合のセクショナリズムは、単なる世界世界の中で自分たちがいいと思っただけの環境なので、良くないグループになってしまう可能性も低くはありません。 売上が高いグループほどタチが悪くなってしまうという法則もありますが、重要なのは一段階上から見下ろすメタ認知能力です。 要するにメタ認知が足りていないグループというのは、自分たちさえ良ければ良い思考が芽生えてきてしまいます。 同じ会社なのに、自分のいる部門が良ければ他部署はコケようが落ちようが、どうでもいい(極端な言い方ですが)という思考になってしまいます。 もちろん、社会人として、テメェのケツはテメェで拭けと、弱者に手を差し伸べにくい思考が植え付けられてしまうんですね。 セクショナリズムは、こうした思考の積み重ねで、会社的には大きなデメリットとなります。 これを解決するために、会社全体でどうするのべきかという考えを必ず自部署の報告と同時に行わせるという経営者が中間管理職を教育する必要があるという事です。 これができない、中間管理職を自分たちが楽をするための道具としてしか考えない経営者では、とてもできないとは思いますが、メタ認知をちゃんと教育できない経営者は会社を大きくすることもできないと判断できますね。

システム開発は会社の文化を表す良い指標

その会社がどのようなシステムを使っているかというのを見ると、その会社のITスキルと同時に、会社全体の管理状況から、従業員に対する統制や、仕組み化という色々な整理の上手下手が手に取るように分かります。 おそらくSEという立場の人は、こうした占いにも似た、デジタル占星術みたいな思考を持っていると思います。 機関システム開発や、IT効率化などを考える会社さんは、こうした自社ITレベルを大きく見直せるいいチャンスであるとも考えられるので、パソコン無くして商売ができなくなってきている今の時代に、ITコンサルティングに自分の会社のレベルを判断してもらって、ちゃんと方向性を教えてもらうことは悪くないかもしれません。 比較的難しいと思われる会社システムですが、会社にあるデータという試算をより効率的に使うことができるようになり、同時に売上向上につながる仕組みを作るのが本来の役割なので、まだこうした思考にたどり着いていない会社さんは、小規模であっても一度IT占い(コンサル)を受けてみるのは良いかもですね。

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