とあるIT会社経営の方から、会社の経営指標を計算するシステム(ほぼ基幹システム)を再構築(作り直したい)したいという相談をいただきました。
会社内に技術部門はあるが、社内のエンジニアでは、構築できない大規模なものなので、相談にのって欲しい、その先に構築までして欲しい、との事でした。
まだ結論は出ていないのですが、その経営者の方が、しきりにどのくらいのコストが掛かるのかというのを気にしていたので、その回答を完結に答えてあげて納得してもらえたので、その内容をこのブログを読んでくれた人にこっそりとお教えしたいと思います。
過去に作ったシステムを再構築する見積もりの話
大きな会社になると、ERPシステムという基幹システムをスクラッチで作っている企業も多いと思います。
ERPについて(わからない人のために):
Enterrprise[企業]Resource[資源]Planning[計画]
会社内のデータ(資源)を効率的に活用するための社内統一システム。
経営計画を立てる上での指標となるのと、業務効率化を目的として作られるシステム。
こうしたERPは、一定期間使うと、陳腐化したり、会社としての機能が足りなくなったり、なんだかもうちょっと良くしたいという欲望が生まれてくるものです。
これは、様々な理由がありますが、中には長期間問題なく使えるシステムもあるかもしれませんが、個人的な感覚では、99%ぐらいの確率でこうした要望が生まれてくるようです。
こうしたしっかりしたシステムって、作り直すのに、必ず、元の使っていた(今現在使っている)システムで出来ている事は当たり前ですが、できないと話になりません。
それも踏まえて、最新のシステムに刷新しようとして、それにどのくらいのコストが掛かるかという質問をされた時に、自分はこのように答えるようにしています。
無茶振りシステム構築の対する金額を伝える方法
ユゲタの回答
同じ機能を搭載して、それに機能を追加をしたシステムを位置から最構築するのであれば、元使っていたシステムを構築した金額プラスアルファぐらいの金額になると思われます。
※プラスアルファは、機能追加に当たる工数
そして、どのくらいの期間(工数)が掛かるのか?という質問に対しては、「元となるシステムを構築した期間+使っていた時間(およそ)ぐらい掛かる事を覚悟してください」と伝えます。
この時点で多くの経営者の人が途方にくれて去っていきます。
もちろん、これは、元のシステムの設計書など細かなものが無い場合で、見積金額をざっくりでいいので教えて欲しいという場合の根拠としての考え方を伝えているワケです。
悪いシステムの定義
使いづらいシステムは悪いシステムと思われガチですが、技術屋としては、メンテナンスや運用のしやすいシステムが良いシステムで、
機能追加がしづらい、設計思考がわからないというシステムが
悪いという風に判断してしまいます。
どんなに使いづらいシステムでも、機能変更や追加が用意であれば、難なく要望どおりシステム改修できてしまいますからね。
そう考えると、システムが悪いのではなく、設計思考の良し悪しがとても重要という風に考えるといいかもしれません。
(ITがわからない人には難しいですよね?)
ドキュメントが重要なワケ
一つの指標として、他人がわかる設計書などが整えられているか?という事が考えられます。
安く開発をしたり、急かした開発をすると、ドキュメントなどは作られませんし、設計思考も明確にはなりません。
結局こうしたシステムは、かなり早いタイミングで、陳腐化してしまう結末にたどり着いてしまうという事かもしれませんね。
ERPを作り直したくなる原因トップ3
1. システムの環境やシステム自体がが古くなる。
誰もが使っているパソコンのOSは、毎月のようにアップデートが行われますが、
サーバーに置かれているシステムも、サーバーのOSアップデートが発生します。
作ってメンテナンスをしないシステムは、こうしたアップデートがされておらず、セキュリティも穴開き状態になっている可能性もあります。
これは実は非常にまずいのでこうしたシステムメンテナンスは必ず行わないといけませんよね。
また、デザインは、日進月歩でどんどん良さげなホームページデザインがシステムデザインとして取り入れられます。
作った当初は最新でウキウキして使えていたシステムでも、時間が立てば見た目が萎えてくるのは仕方がありません。
それでも、年月が立っても古く感じにくいデザインというのもあるので、長期間使うシステムはデザインは当たり障りのない状態にするほうがいいですね。
2. 会社の業態が変わったので(または追加された)ので、新たな機能が必要になる。
会社ってどんどん業態が変わって行くのが当たり前です。
100年後も同じ事を永遠繰り返している会社って、結構しきたりなどにこだわって新しく入った人が窮屈な思いをする企業だったりもします。
そんな変革の早い会社の業態により、システムが陳腐化するのは、当たり前なんですよね。
直近で変わる事を想定したりするぐらいの設計思考は重要なポイントでもあります。
3. 運用管理(メンテナンス)する人が変わったので、システムの要件定義が変わる。
人事異動や退職など の理由で、メンテナンス担当者が変わることがありますが、この担当者のITスキルレベルで、システムの要件定義は大きく変わってきます。
基本的に外部の会社にシステム開発を行って貰う場合は、オーダーしたことがそのまま作られます。
もし間違った情報を伝えると、間違ったシステムが出来上がってしまうという危険な面もあります。
もちろん、システムエンジニアという立場の人がそうならないように様々な確認をするフェイズがありますが、システム構築の短期間のみでシステム構築をしてしまうと、作り逃げされてしまうケースなどもあり、実際にそうした被害も少なくないようです。
システムは新しく作るのが圧倒的に楽という話
色々と耳の痛い話をしてみましたが、要するにシステム開発って、ナマモノなんですよね。
システムには消費期限があり、定期的にメンテナンスという手入れをしないと、安定して使うことができなくなります。
もちろん、飲食業界にも似ていますが、調理をする料理人と同じ立場のプログラミングエンジニア(設計者)によって、同じ要件定義であっても全く違うシステムが出来上がります。
正直こうしたエンジニアは、家の建築と同じで当たり外れがあるという状態も否めません。
おそらく多くのエンジニアが同じ意見だと思いますが、システムって一番最初につくるのが最も楽だし、制約が要件定義だけなので無駄がほぼない状態なんですよね。
システムを一度作ってしまった会社は、今回話したような色々なシステム運用ポイントを覚悟して運用をし続けないといけないという世話が重要という事を理解してもらえればと思います。
当たり前ですが、放し飼いは駄目という事ですね。
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