
「タスクが多すぎる」
このセリフを言った(思った)ことがないエンジニアはまずいないと思います。
チケットは積み上がり、
Slackや問い合わせチャットは鳴りやまず、
カレンダーは会議で埋まり、
気づけば「今日は何も進んでいない」という日が量産されている事でしょう。
そのタスク、
本当に必要なタスクなんですか?
こう聞くと、「いや、でもやらなきゃいけないし・・・」と答えるエンジニアが多いのも事実。
この罠とも言える、タスクの山状態は、「
アイゼンハワーマトリクスという思考術を使うといい」という話を聞いたので、ご紹介したいと思います。
アイゼンハワーマトリクスという“仕分け機”
この話をする上で避けて通れないのが、ドワイト・D・アイゼンハワーの名を冠した
アイゼンハワーマトリクス。
このフレームワークはタスクを「重要(important)」と「緊急()Urgent」の2軸で分類する、いわば
思考の仕分け機である。
ポイントはシンプルなんですが、まあまあ残酷なんですよこれが。
人は“重要”ではなく“緊急”に反応するということがわかります。
例えば、
突然の障害対応や上司からの「ちょっといい?」は、ほぼ無条件で最優先になる。
一方で、設計の見直しやスキルアップのような“重要だが緊急ではないもの”は、いつでも
後回しにされる。
そして、自分の一日は、「緊急だけど重要ではないもの」と「なんとなくやっているだけのもの」で埋まっていることに気がつくんです。
ここで冒頭の仮説に戻ると、
エンジニアのタスクは9割が重要ではない。
これは誇張でもなんでもなく、むしろ体感に近い人も多いはずじゃないでしょうか。
なぜ重要でないタスクに支配されるのか
ではなぜ、そんな状態になるのかというと、理由は単純で、「
重要ではないタスクのほうがやりやすい」からなんですよ。
重要なタスクというのは、大抵の場合、重いし、しんどいことの方が多い。
抽象度が高く、正解がなく、すぐに成果が出ない。
設計改善やアーキテクチャの見直し、技術選定などは典型例。
やるべきだと分かっていても、手をつけるにはエネルギーがいるという事なんですね。
一方で、重要ではないタスクは軽いし何も考えなくていいことが多い。
返信すれば終わるチャット、
ちょっとした修正、
場を埋めるための会議。
これらは達成感すら伴う。
「今日も仕事したな」という錯覚を簡単に作り出す。
(実際は何もやってないことの方が多いのに)
つまり、人は「簡単に終わる仕事で満足感を得る」ことで、本当に重要な仕事から逃げていると考えてもいい。
そして怖いのはここからだ。
“重要だけど緊急ではないタスク”を放置し続けると、ある日突然
“緊急かつ重要な状態”に昇格する。
技術負債はある日爆発し、未学習の領域は急にキャッチアップを要求される。
健康は突然壊れ、人間関係は気づいた時には修復困難になる。
未来の自分が、過去の自分のツケを払わされる構造がここにあるんです。
重要な1割にどう向き合うか
ではどうすればいいのかというと。
答えはシンプルだけど難しい。
「重要だけど緊急ではないこと」を先にやるしかないんです。
これは根性論ではなく、構造の問題なんですね。
意識しない限り、人は必ず緊急タスクに流される生き物。
だからこそ、意図的に時間を確保しないといけない。
例えば、カレンダーにあらかじめブロックを入れる。
会議よりも先に“考える時間”を予約する。
Slackやチャットなど(スマホやメールなども)を閉じる時間を作る。
そういった小さな設計が、重要な1割を守ることにつながる。
逆に言えば、それをやらない限り、9割の“重要ではないタスク”に一生を消費することになりかねないんですよ。
少し乱暴に言えば、
タスクが多いのではなく、重要なタスクが少なすぎるのだ。
あとがき
ここまで読んで、「いや、自分のタスクはちゃんと重要だし…」と思った人もいるかもしれない。
でも安心してほしい。
この記事を書いている自分も、さっきまで仕事のチャットの通知を眺めながら「これ大事そうだな」と思っていたんですから。
そしてふと気づく。
この記事を書くこと自体、“緊急ではないけど重要なこと”だったのではないかと。
つまり何が言いたいかというと、
このブログを書いている間にも、いくつかの“緊急そうな通知”を無視しているわけである。
そしてたぶん、それらの9割は重要ではないから後回しでも全然OKと考える自分。
…と、ここまで書いたところでスマホが鳴った。
さて、これはどの象限だろうか。
アイゼンハワーマトリクスで思考してみるとしよう。
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