
エンジニアの退職率が高い会社の内情を、これまで何社か見てきたけど、どうやらどの会社もシステムに愛情が持てていないという事がわかってきた。
システムは単なる道具として、管理するのはエンジニアの役割りで、実際に使う自分たちの欲しい機能のみを要求して突貫開発の連続で、
スパゲコードが絡まりまくっているシステムを自社システム(自社サービス)として運用している会社は、
エンジニアはそのシステムには愛情を持てないどころか、ダメシステムとして三行半を下してしまいます。
自分のシステムと胸を張って言えるわけでもないので、その会社でのエンジニアリングに面白みを感じるワケもありません。
結果、その会社では、誰からも「自分には関係ない単なる仕事道具」とされてしまったシステムは、その後もスパゲコードを量産し続けていく、
技術負債量産システムとして色々な負の資産として継続されていきます。
これって、誰得なんでしょう?
システムに愛情を注がない会社の特徴
組織で一番大事にしていることを売り上げや利益といった金に重きを置いていて、
労働者の事も、道具として見ている縦社会系会社は、システムが100円ショップの商品の様に、安く量産されて、
大量に破棄されている使い捨て状態になってしまっています。
「こんな機能を入れて欲しい」
「売上を上げるために改良して欲しい」
こんなセリフがほぼ毎日の様にやり取りされていて、活発に開発を行っている様にも思えますが、実は大間違いで、
システム設計を度外視している状態になっています。
システムには、開発コンセプトとか、フレームワーク設定という土台のルールというか根底のアイデンティティのようなものが必要です。
これがあると、そのシステムに愛着が湧いて、関わる人が丁寧に扱ってくれる様になります。
無茶な要望を出して、安定性よりもスピード優先なんてオーダーは無くなるはずです。
ITが苦手だから、とか、プログラミングやエンジニアリングがわからないからという理由で、
システム内部のことを知らないから、システムのことを好きになれないというのは、単なる言い訳です。
きっとパソコンを使っている人であれば、どこのメーカーのパソコンとか、好きなアプリケーションみたいなものがあるはずです。
スマホでも同じですが、それって内部の仕様やプログラミングなんて、まるで理解できていないでしょう。
同じ様に自分たちが一番使用するシステムに愛情を持てる様になったら、実は会社としての売り上げも繋がるし、退職率低下にもなりますからね。
エンジニアの責務
以前お手伝いさせていただいた会社で、レベルの低いエンジニアの人たちが、社内システム前半を開発して運用していたんですが、
会社や、他部署に対しての文句ばかり言っていて、システム改善を一切行おうとしない人たちだったので、こうした人達が仕方なく運用しているシステムというのもまた愛されていないシステムであると認識できました。
まさに、スパげコードのオンパレードで、今にも崩れそうな不安定な構造体に、少しみただけでもヒヤヒヤしてしまいましたよ。
おそらく、その会社で他部署の人たちがエンジニアリングを理解していないことを良いことに、ヌクヌクと社員としての必要最低限の仕事をしておけば、
お給料はもらえるし、福利厚生など正社員特典を味わえるので、居座っていたんだと思いますが、
自分がシステムに対する指摘事項や、やるべきことリストを提示した瞬間に退職届を会社に提出したという絵本よりも分かりやすい子供思考に、呆れ果てたことを思い出しました。
この会社に限らず、こうしたエンジニアが居座っている会社というのも比較的多いのも事実です。
では、こうしたエンジニアは一体どうすればよかったのかというと、
自己成長を目標にできていないのが問題だったので、エンジニアたるもの、一生勉強をし続けていく職業ということを、ちゃんと認識させなかった、会社の上層部にも責任がある旨をしっかりと社長を含め役員の人たちには伝えておきました。
利用者の責務
ここでいう利用者というのは、会社内システムを利用する従業員だと考えてください。
会社で開発したシステムを利用するのは、外部の一般ユーザーですが、それ以前にそのサービスを運用するために、
メンテナンスや、内容更新などを行う、中の人がシステム利用者として行っているはずです。
完璧なシステムというのは世の中には存在しないというのが通説ですが、多分の漏れず社内システムを使っていると、
「もっとシステムを便利に使いたい」とか「使いずらいので改善して欲しい」という声が上がってくるものです。
この時に、必ずこの改善をしなければならないと、上から目線で要望を伝えてくる運用担当者がいます。
もちろん、ほとんどの要望は大した改良をしなくても難なくシステム搭載できてしまうのですが、
安易な機能を受け入れてばかりでのスパゲコードというのは、もはや闇鍋状態になってしまいます。
そして、こうした要望盛りだくさんの現場というのは、多くの場合、スケジュール度外視の現場が多いというのも事実です。
よくやり取りされる会話としては、「この機能搭載、どのくらいの工数でできますか?」という質問が開発員に投げられて、
その回答をせかされた挙句「1ヶ月ぐらいかな〜?」と返答しようものなら、「1ヶ月で要望の機能搭載ができてしまう」という社内告知が次の日には会社内の告知メールで回っていて、
確定していない開発スケジュールが成り立ってしまう現状になります。
恐ろしいですね。でもコレ非常に多い現状なんですよ。
ココでは何が問題なのかというと、技術懸念点などが度外視されている点です。
開発員が言ったスケジュールは有言実行と言わんばかりの、あるべき論が先走る組織の致命的な構造ですね。
結果的に、開発員は、多大なバッファという問題が起きてもなんとかなる時間も考慮したゆるい開発期間を告げることになっていき、
のうのうとゆるい開発を実施してしまう環境が生まれてしまうという事に繋がります。
愛情あるシステムサンプル
Adobeや人気アプリケーションを使っているユーザーは、アプリ信者と言わんばかりの愛情を注いでいる人いますよね。
クリエーターさんに多い傾向を感じますが、
事務員の人でも、エクセルマニアの人として、式やVBAなどを使いこなして、優秀なスクリプトプログラマーの様に成り立っている人もいるぐらいです。
個人的には、エクセルを使って、絵を描いてデザインをしていたり、ドット絵を構築している先輩社員(プログラマーじゃないよ)がいたことを記憶しています。
そうした人たちは、アプリや、システム(ソフトウェア)のバージョンアップを心待ちにしていたり、どういう環境で使うのが一番良いのかという予習・復習を欠かさないという勉強家が多いのも事実です。
社内システムにどうしても愛情も持つことができないと考えている人、今一度、自社内のシステムを見直して、良いところを探してみてはいかがですか?
少なくても、多くのエンジニアが関わって、会社としてその辺のスマホアプリを購入する金額ではなく、膨大な開発費をかけて作っている高価なシロモノであることも間違いないはずです。
あとがき
自分の会社のシステムに愛情を注いでいる人ってみたことありますか?
外部にシステムを売り込みに行っている営業マンは、少なくても愛情を持っているような話し方をするので、
そういう人の思考をいつも読み取る様にしています。
きっとシステムも、愛情を注がれて、喜んでいると思いますよ。
人のつながりと同じ様に、システムも愛情を持って接すれば、いい方向に物事が進むと思うんですよね。
エンジニアとして、強くそう思います。
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