「ワンダと巨像」に続いて、
上田文人さんのゲームをやりこんでしまいました。
と言っても、一周クリアしただけですが、以前一緒にゲーム開発していた友達も制作チームにジョインしていたので、それもあって、以前から持っていたんですが、
全然プレイしていなかったので、やってみたところ、非常によくできていた作品さったので、学ぶところも多かったため、ブログに残しておきたくなりました。
レビュー
★★★★⭐︎
ICO、ワンダと巨像と同じテイストで、独特な話が進んでいきますが、
トリコという人食いの大鷲の巣で、どういう生き物で、変なヨロイに操られているというのが、どんどん解明されていき、
主人公の少年と、トリコがどうして相棒のような関係になり得たのかがわかってくるので、まるでトリコがペットのような感覚に陥ります。
そして、世界観がやはりしっかりと出来上がっている点が非常に見入ってしまうポイントでもあって、
何年もずっと塔の中で松明が燃え続けているのは何で?みたいな重箱ツッコミはしないでおけば、スピンオフなどたくさん考えられそうな世界観です。
最後までわからなかったのは、ヨロイを含めて、大鷲の巣を作ったのは誰?人間?それとも何かこの世界には創造主みたいなの存在があるのか?
という疑問がずっと頭の中によぎっていました。
あ、ちなみに、絶賛しているのに評価が満点じゃないのは、
コントローラ操作とカメラワークが、少しモタつくところがあったので、その点を改善できていればよかったな〜という評価です。
ゲームの面白ポイント
とりあえず、勉強になった点を列挙します。
1. 映画を見ているかのようなストーリー
上田さんの作品は全て、現実とは少し違う生き物などが出てきて、現代社会ではないというのが非常に独創的で、
悲哀というべき感情移入できるストーリーが絶対的に盛り込まれているという点です。
ストーリーの骨子をゲーム序盤では丸出しせずに、ゲーム進行にあわせて、謎解きのようにプレイヤーが理解していくところで、
世界観にドップリと浸かりやすくなっているのだと思いました。
人の感動は、設定とストーリー構成であることは、十分に理解しているんですが、話の構成をゲームに活かすという構造が学習できましたね。
2. グランドコントローラー
ゲームを通して、その場面でのみ操作するようなボタン配置ではなく、ほぼ同じ操作でできるようにゲームが構成されているという点です。
たまに、アイテムを設置したり、大鷲に刺さったヤリを抜くなどの特例操作は発生しますが、
基本的なシンプル操作で話が進められるので、ステージをしっかりと作り込んでさえいれば、その中を時間をかけて探索をするというアドベンチャーの醍醐味を感じやすいゲーム感になるのがわかります。
3. 遠近演出
塔の上から見下ろしたときに、足がすくむ感じって、現実の高所恐怖症の人は、おそらくこのゲームできないでしょう。
というぐらいに、遠近描画が秀逸です。
遠方をボカす演出と、はっきり見せて、霧やモヤをかけての表現を使い分けている点は、非常に演出の参考になりました。
4. エフェクト
ボヤっと光ったり、爆発したりする表現から、建物が崩れるフラクタルな表現って、ホントに作るのが難しいんですよね。
きちんとした、構造のモノや風景って、CGで作りやすいんですが、無機質な自然の風景を描くのが難しいのと同じ感じです。
キャラクターがジャンプして着地したときに、地面の土埃が、フワっと出たり、風が吹いたら、木の葉が舞ったり、空の上を数匹の鳥が飛んでいたり、
効果的なエフェクトが臨場感を増していたので、こういうところは手を抜いてはいけないところと、クリエーターとして改めて認識できました。
5. タイトル画面らしくないタイトル画面
ゲームタイトルが表示されていなくて、ゲームを最後までクリアすると、理解できるアイテムが表示されていて、
その世界観が少しだけわかるような演出が入っているゲームタイトルで、ボタンを押すと、データ読み込みと共に、すぐにゲームがスタートする作りは、
改めて秀逸なクリエイティブのようにも感じます。
あとがき
攻略サイトがなければ、絶対に一周クリアできなかったでしょう。
それにしても、攻略サイトが複数あって、一番見やすい攻略サイトを最初に探していたんですが、
そういうサイトを作っている人たちって、めちゃくちゃゲームをやりこんでいるんでしょうね。
裏技っぽいところも見つけて書き込んでいたり、
何でそんなコントローラ操作わかるの?という開発者さながらの内容に、感服することも数々ありました。
ゲーム開発の次に、こういうプレイヤーの人たちにやりこんでもらう事もゲームクオリティのひとつだと考えてもいいかもですね。
ゲームをクリアした時に表示される開発テロップを見ていると、どれだけの人数をかけてゲームを作ったかがよくわかるので、
個人的には、役職や人数などをよく見ているんですが、
グラフィッククオリティや、シナリオクオリティに伴って、人数もかなりの制作費を掛けていることがよくわかりました。
実際の開発内部のゴタゴタは、友達からよく聞いていたのですが、出来上がったクオリティを考えると、そうしたゴタゴタはまるで作品に現れていなかったので、
それぞれのプロの仕事クオリティを十分に感じさせてもらいました。
いや〜、本当にゲームって面白くなければ、いけないモノなんですね。
このゲームも思い出に残るゲームとして、やって良かったと思います。
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