[ゲームレビュー] ワンダと巨像(PS4版)

2025/01/22

ゲーム レビュー

t f B! P L
eyecatch 珍しく時間があったので、前に買っていて全くやっていなかったゲームをクリアしてやろうと思って、「ワンダと巨像」に挑戦しました。 このゲームは、PS3版の「ICO」を製作した、上田文人さんの作品です。 どちらも似た感じの独特な世界観で、実際にゲームをやってみるとハマってしまうユーザーが多いのもうなづけます。 単語で表すと、「孤独と虚無」という言葉がとても似合うゲーム作品だと思いますね。 そして、ゲームを進行していると、まるで1つの壮大な映画を見ているかのような感覚になるぐらいのグラフィックの美しさと、 ゲームとしては不親切だが、説明がほぼない状態(多少のヘルプはあります)でのゲームを進行する強気のゲームスタイルが、プレイしている人の面白感覚をくすぐる感じが何とも言えない作品ですね。

レビュー

★★★★★
文句なしの満点です。 このゲームやったことない人は、絶対にやったほうがいい。 心が弱い人や、インドア派の人なら、やっておくと簡単に人生観を捻じ曲げて変えてくれるぐらいのパワーがある作品です。 ゲーム途中まで祠がセーブポイントということを知らずに、プレステの電源を切れない状態で進めていたんだけど、 どうやら祠で祈ったら途中セーブされることに気がつき、それまで、巨像を倒したタイミングがセーブポイントとだけの認識で進めていました。 久しぶりにコンシューマゲームをやったという事もあるけど、スマホやパソコンゲームとはやっぱり違う、スペックの差を感じますね。 もちろん、映画バリにお金をかけているレベルの作品なので、クオリティがピカイチなのは言うまでもないんですが、 ワンダの世界観にマッチした、スケール感の表現とカメラワークが非常に良くできていて、ゲーム中ながら、グラフィックテクニックをずっと見ている時間もありました。 崖の淵に立った時に、吸い込まれる様な高さに実際に足がすくむ感覚になったりするのも、没入できるゲームならではの感覚なんでしょうね。

ゲームプレイポイント

このゲームの攻略サイトは、検索すると簡単にたくさんみつかるので、それらを見ながらプレイしないと、かなり膨大な時間を費やすことになります。 そして、ネットで検索していてわかったのは、ICOやワンダの巨像に関しての考察ブログみたいなものが大量にあって、ゲームクリアした後でそれらのコメントを読むと非常に刺さるものが多かったです。 そして、ゲームクリエーターとして、このゲームをやって色々と学びもあったので、それをリストアップしてみます。

1. 秀逸なコントローラー操作

主人公のワンダをコントロールするだけの操作ですが、攻撃から、馬操作、崖や建物にしがみついたり登ったりする行動操作、ほぼ一貫した操作で、慣れると実際に自分の手足を動かす感覚のようになるのが面白かったですね。

2. 巨像を倒す攻略ストーリー

小さな少年が、ビルほどの大きさのある巨像を刀と弓だけで倒すって、最初はどうやるか全く想像できなかったけど、急所を突くという極めて論理的な手法で全ての虚像を倒すことができるというシステム設計と、それらを実現するために、虚像ごとに急所にたどりつく道筋が存在するのが、非常に良くできています。 攻略サイトを見てようやく理解できるものもありましたが、その巨像タイプによって、細かな裏ストーリーが存在していて、それが急所ポイントになっているのを理解できると、少し巨像を倒すのが可哀想に思える場面もありましたね。

3. 壮大な世界観の表現

プレステ1や2ぐらいのゲームハードは、表示できるポリゴン数がかなり少なくて、遠距離のものは板ポリゴンに貼り付けて、近くに来ると、3Dオブジェクトに差し替えるというやり方が主流でしたが、 ワンダの画面を操作していると、かなり遠方の建物や、山や崖なども、3Dで表現されていました。 おそらくポリゴン数は、距離に応じて削減したりしているとは思いますが、処理落ちなどは全くしないレベルで、かなりのオブジェクトを表示していたのは、グラフィック経験者なら技術興味ポイントは高いでしょう。

4. シンプル is ベスト

このゲームは、何周もプレイする、バイオハザードのタイムアタックのようなモードも用意されていて、 最初の一周を終えると、そのモードが解禁になり、二周目以降は、ハードルもあがるけど、一周目には感じなかった裏ポイントを気にする様になるゲームです。 でも、一周目の、ただ虚像を倒すだけのゲーム進行が秀逸にできているのが、ゲームの基本になっているので、このシンプルゲームができているところは非常にゲーム設計の参考になるところです。 裏ではちゃんとログを取得しているのは言うまでもないですが、そんなこと関係なく、プレイできるというのも、ポイントばかり気にしてプレイするゲームとはまるで違って、世界観に没頭できる大きな要素であるという認識です。

あとがき

今回は、アタリと分かっていてやったゲームなので、ハズレない事はわかっていました。 ICOの時と同じ様に、全体のストーリーもかなり感情移入できる事もあり、ゲームをクリアした後でも余韻の残るゲームです。 こういう体験ができるゲームは、映画好きな人であれば、嫌いなわけがないでしょう。 めんどくさいことが嫌いな人や、映画をあまり見ない様な人は、おそらくこのゲームを「つまらん」と片付けてしまうかもしれませんが、 このゲームの面白みを見つけられない人、人生損してますね〜。 また、このゲームやっていない人は、是非オススメのゲームです。 そして、さらにゲームクリエイト魂に火をつけてくれた、ワンダと巨像のゲームに感謝の意を表します。

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