とあるセミナーでUI/UXデザイナーの方とお話をしていた時に、自分のバイブル的本というのを紹介してもらったのが、この「ハマるしかけ」という本でした。
ITサービスにおいて、UI/UXって本当に重要であることは、今運用している人であれば誰でも当たり前に感じている事ですが、
日本国内のサービスであまりこうした理論を元に考えられているサービスは数少ないとも言われています。
多くのデザイナーが海外に学びに行っている現状も聞いたので、是非こうした本は業界人としては読んでおかなければいけないと自分に言い聞かせてAmazonで即買いしました。
評価
★★★★☆
満点ではない理由は、書き方が回りくどくて、読みやすいかというとそうではなかった為です。
それでも、海外の有名なサービスがどのようにUI/UXを元にサービスデザインを変貌してきたか、ユーザー思考をどのように汲み取ってきたかという実績は、これからサービスを立ち上げようとする人にとっては、非常にありがたい情報であり、そうした先人の苦労を知っているのと知らないのとでは、出来上がったサービスの品質に大きく関係してくることはいうまでもないですよね。
正直、この本は、心理学の事を述べているのが半分くらいの割合いなので、インターネットサービスという枠だけでなく、普通に商売する時の思考であったり、対人関係であったり、物事の思考などに置き換えて考えられることも可能です。
年々、こうした理論は新たな手法が出てきて塗り替えられて行くものですが、現時点の最先端とか、世の中のレギュレーションという視点を持つことは非常に大事であるという認識を高めてくれました。
勉強になった内容
心理学部分は、他の書籍などとさほど大差ない感じですが、中で紹介されているサービスは「Twitter」「Facebook」「Pinterest」が大きく占められており、僕はどれも利用者でもあるため、とても身近にわかりやすく感じました。
Twitterは、当初のサービスは、非常にわかりにくく、人がツイートするという事がなかなか受け入れられなかったということや、
Facebookは、当初ザッカーバーグが、とある学校内だけのコミュニティとして作って使われていたという事は、有名ですが、改めて、サービスの変貌におけるPDCAをうまう回せてきた成功例として説明してあり、これから作るサービスの参考になる事間違いなしです。
非常に参考になった内容の中に、サービスをデザインする時の「Manipulation Matrix(操作マトリクス)」というのがあり、ユーザーの生活を改善する、しないという軸と、作り手が使う、使わないという軸で、サービスの立ち位置を考えるという思考は、いいフレームワークなので、SWOT分析みたいな感じでサービス検討の際に使えそうですね。
習慣を司る倫理
また、WEBサービスでもっとも重要なのは「習慣」を作る事と、書かれている本は多いのですが、その習慣を倫理的に考えるという思考が書かれている本はなかなか珍しいのではないでしょうか?
ようするに、インフルエンサーになろうとして、時間もお金も異常に費やしてしまうなんて人世の中に増えてますし、
ゲームをやり続けて死亡してしまった事件なども記憶にあるのですが、こうした依存症を作ってはいけないという警告も含まれています。
サービス提供者の倫理として、ここまでの思考を持って初めてUI/UXデザインと言えるということは、たんなるビジネスをするのではなく、人の生活に対しての責任も考えましょうという内容なのですね。
いや〜かなり深くて脱帽ですわ。
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