オフィスビルやデパートなどで、エレベータの効率が悪い時、利用者はどうしてもイライラしてしまいます。
もちろん、悪いのはエレベータの稼動アルゴリズムなのですが、利用者でモタモタしている人がいる場合、その人に対してもイライラしてしまいがちです。
こうしたストレスの元をなくすためにも、エレベータの効率改善をするのは、利用者が多い設備管理者のやるべき仕事だと思いませんか?
おせっかい覚悟で、エレベータの環境におけるアルゴリズムを考えてみました。
2台構成の場合
複数あるエレベータは、先に到着したエレベータを利用するのが一般的ですが、いくつかのアルゴリズムを考えるだけで、利用者の負担が大きく変わる可能性もあります。
偶数・奇数階による分岐
これは、エレベータが2つある場合に偶数階と奇数階に区分けしてしまうアルゴリズムです。
これによって得られるメリットは、階数が多い場合に、半分の効率で済むため、待ち時間は理論値半分という事。
でもデメリットとして、偶数階と奇数階の利用者バランスが同一レベルでなく、偏っていた場合、どちらかがストレス過多になってしまいます。
ボタンが2つある場合は、区分けをしなければいけませんが、単一ボタンで2台のエレベータの場合は、混雑時により、偶数階と奇数階を区分けするように行う事で、さらに効率化できるかもしれません。
上位階と下位階を分岐
デパートなどの場合は、上位階に高級販売店や、飲食店フロアを設置している場合も多く、下位階は、コスメや生活用品雑貨などのフロアにしている場合が多く、利用者の区分けができている場合は、上位と下位のフロアに分けてエレベータの行き先を固定化する事で、エレベータを使う人に応じたボタンが押され、効率化できます。
ただし、デメリットは、昼時は上位階が混雑する場合など、2台をフル稼働にしないと効率悪化する場合もあるので、時間帯などある程度見込める場合をスケジューリングできるようにする事で、稼動効率を向上させるようにできます。
イライラポイント
そもそも、エレベータで効率が悪いと感じるポイントは以下のような場面です。
1. 2台のエレベータで行列ができている時、先に押した方の到着が遅い場合
2. 各階にエレベータが停滞するので、乗り込むまでに時間がかかる
3. エレベータ進行でのフロアの停滞時間が長すぎる
高年齢の人に合わせた設計にすると、どうしてもエレベータの開閉時間を長めにセットしなくてはいけなくなりますが、その場合、無人で停車した階で、まあまあな秒数のアイドルタイムが存在してしまいます。
そもそも、エレベータって乗りすぎアラートが鳴るのであれば、実際に乗っていない判断をして、乗っていないのに内部からフロアボタンが押されていたらその階はスルーするというようなアルゴリズムも基本として必要でしょう。
また、どっちが先に来るかなどというちっちゃなチキチキレースを考えてしまうのも、外れた時に若干の悔しさが残るのは僕だけでしょうか?
確かにプチゲームとしては有りなのですが、実用優先のエレベータとして考えると、そんなゲームいらないですよね?
1フロアの移動はエスカレータ
そもそも、1階から2階に移動する時にエレベータを乗るよりもエスカレータを利用する方が確実に早い時の方が多いです。
もちろん建物内の構造にもよりますが、大体の建物でエレベータの横に階段が設置されているケースも多いので、1フロア利用は、階段やエレベータを利用するという思考を世の中的に植えつければ、健康にも繋がるいい習慣になり、エレベータ効率悪化を回避できる手段だと思います。
しかし、高齢者や、ベビーカーを持った主婦の方、荷物を多く持っている方などは、そうも言ってられなく、エレベータを使わざるをえません。
むしろ、そうした人が優先的に使われるべきがエレベータなのかもしれませんね。
オフィスビルで高層階に行く場合は、当たり前ですが、エレベーターしか手段がない場合がほとんどです。
もしかすると、階段で特定階にスタンプラリーでも設置すれば、健康も考慮して、軽い運動がてらエレベータを利用するよりも、階段利用にモチベーションを発生させる人も増えるのでは?
あ、この章はエレベーターアルゴリズムではないですね。
UI/UX
そもそも、エレベーターって進化しているようですが、ユーザー視点からのUI/UXはあまり変わっているように感じません。
現在いる階数の表示だけでなく、何人乗っているか、どの階に止まるかが明確に分かれば、利用者ももう少し視覚的に判断できる事が多いのですが、そうした情報がブラックボックス化している事自体が、問題なのかもしれません。
そうです、「見える化」なのですね。
利用者の納得感を得られ、効率化を利用者に考えさせるという事が可能になります。
混雑していて、各階に止まるよりも、そうでない方で待っていた方がいいのは見た目で明らかなので、利用者の意識もそちらに向かいます。
今回言いたかった事
エレベータアルゴリズムについての考えは、学問的にもなっており、wikipediaでも紹介されています。
https://ja.wikipedia.org/wiki/エレベータアルゴリズム
でも、少し意味合いが違っていて、ここで説明されているアルゴリズムはハードディスクのシークタイムにおける計算効率方式が解説されています。
でも、データを受け渡すという事と、人を運ぶことは、結局アルゴリズムとして考えた時に同じであると言えます。
大きく違うのは、実際のエレベーターは、ハードディスクのシークバーのように柔軟に動けないという点かもしれませんね。
もしかしたら、このぐらい柔軟に動く事と、今実現されているセンサーを搭載する事で、もっと快適な利用ができる可能性はあります。
またAIなどを利用して、怒っている人がいたら、少し急いであげるとか、優先すべき人がいたら、順位を入れ替えたりする事も、今後は実現されるかもしれません。
たかがといわず、今の現実をよりよく効率化させることこそ技術を前向きに進める手段なのですね。
そもそも、効率の悪いエレベータには乗りたくないですからね。えっ?そこまで考えてない?どーでもいい?
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