
ニコラス刑事が、ハゲ散らかした老年大学教授を演じて、コミカルっぽくもあるし、ホラー要素もある面白映画です。
パッケージは、まったく面白味を感じないけど、あらすじをみたら、見たくなってしまうという面白コンセプト映画です。
あらすじ
ごく普通の暮らしをしている大学教授のポール・マシューズ(ニコラス・ケイジ)。
平々凡々とした日常を過ごしていたが、ある日、何百万という人々の夢の中に一斉にポールが現れ、一躍有名人に。ポールはメディアの注目を集め取材を受けながら得意げになっていく。
夢だった本の出版まで持ちかけられ、天にも昇る気持ちだった。
しかし、そんな夢のような日々は突然終わりを告げる。
夢の中のポールが様々な悪事を働くようになり、現実世界で大炎上。コントロールの効かない夢の中のポールは人々のトラウマの対象となってしまう。
スタッフ・キャスト
監督 | クリストファー・ボルグリ |
ポール・マシューズ | ニコラス・ケイジ |
ジャネット・マシューズ | ジュリアンヌ・ニコルソン |
ソフィー・マシューズ | リリー・バード |
ハンナ・マシューズ | ジェシカ・クレメント |
レビュー
★★★☆☆
可もなく不可もなく・・・的な映画で、予想通りのストーリーで進行します。
この映画の最大の面白味は、何百人もの夢の中にポールが現れて、みんなそれを目が覚めても覚えている(覚えていない人もいるらしいけど)という現象でしょうね。
このストーリーを聞いて思い出すのが、この写真の「This man」という、夢に出現する謎の男でしょう。
2024年に、「THIS MAN」というこの男の映画が公開されているので、同年公開のこの映画はそれにコメディ要素を加えたようなテイストになっているようにも感じた。
公式サイト
この映画のターニングポイントは、みんなが夢に出てくるポールが、出てくるけど何もしないというところから、助けてくれたり何かしら施してくれる事で、ヒーロー扱いされるようになり、
その後、夢の中でポールに惨殺されたり、ひどいことをされて、悪人扱いになるという一連の流れが、いまのネットにおけるソーシャルネットワークのようにも感じた。
面白い点としては、彼は何もしていないという事実なんだよね。
自分は何もしていないのに、人からサインを求められたりするのは悪い気はしないけど、
「顔を見たくない」とブチぎれられるのは、やっぱり人としての尊厳を失うのもよくわかる。
劇中で、彼がしきりに自分の研究を書籍で出版したいと願って、同じ研究をしている昔の自分の生徒に共同研究者として名前を載せて欲しいとせがむシーンは見ていられないけど、
その後彼は、そんなことをしなくても、人々の頭に残るほど知られてしまうという、因果応報も、なかなかの無常感が溢れてくる。
あとがき
夢って、ホントに不思議なテーマだということが改めて良くわかった。
昔、小学校に入ったぐらいの年齢の時に、テレビでドラえもんの放送が始まって、夢の中でドラえもんが出てくるのがとても楽しかった時期があったんだけど、
夢を見るのが楽しいと感じる無邪気な子供時代に、まだ映画の存在すら知らなかったので、夢で楽しい体験を得られると考えてたんでしょうね。
まったくカワイイやつだぜ、昔のオレ。
今現在夢を持っていない大人も結構多くいるんじゃないかと個人的に感じているのは、普段の顔が比較的しかめっつらしているサラリーマンが多いというのを、
小田急線で良く駆けるので、そうした人にせめて寝ている時ぐらいは覚えていなくてもいいからいい夢見ていい思いをしてもらいたいと感じた、今回の映画でした。
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