デブサミ2016が2月に行われた際に、
「ITエンジニアに読んでほしい!技術書・ビジネス書大賞 2016」が発表され、
その中でノミネートされていた「Work Rules!」という本はGoogleの人事トップがGoogle社の人事制度などを詳らかに書かれているというので、
今現在、会社の人事制度、人事評価、採用、教育、マネジメント・・・おそらくはどこの会社でも問題とされている課題を、
Googleがどのように対応しているのかを知るいいチャンスと思い、暇を見つけてようやく読破できました。
重要視するのは「採用」
Googleの人事予算は「採用費」「教育費」「福利厚生費」と、人事予算がある場合の比率は「採用費」が圧倒的に高く設定されているそうです。
創業時から採用に力を入れていて、1人に45回もの面談を行なって数%の確率で採用するという手法をとっていたGoogleは、世の中の優秀なエンジニアを集めるという事を目的にしていたらしい。
その根本の精神は今でも変わっていないが、全ての従業員が採用面談に毎月とてつもない時間を使って、非常にコストに問題を抱えていた所、従業員の紹介採用制度を実施し、かなりの時間とコスト削減を行なった経緯を聞くと、日本でもこうした会社が増えてきている事がうなずける。
優秀な従業員の友達は優秀に違いないと考えられるそうだ。
正直、そこは言い切れる自信はないが、ある程度のスクリーミングを委ねたい気持ちは非常によくわかる。
ちなみに、Googleの面談は30分を限度として行われるらしい。
さらに、冒頭の5分でほぼ「使える」「使えない」という判断が行われ、残りは人物像とレベルを深掘りするという面談内容らしい。
社員に自由を与えれば驚くことをしてくれる
この言葉がGoogle精神のポイントだと確信できました。
多くの会社では「自由を与えたら統率が取れない」だとか「マネジメントやりずらくなる」のようなネガティブ意見を言う経営者がいると、その会社はきっと自由を感じている従業員が少ないはずだ。
自由を履き違える従業員がいては困るという会社側の懸念も分からなくもないが、型にはめることで経営者の想像を超える従業員が生まれてくる可能性をキャップしていることも理解しなければいけないだろう。
子育てをする時に、子供に好きなことをやらせて伸ばす事で、将来立派になる人もいれば、親が決めた道を進んで成功する人もいるが、きっとどっちが正解という事は無いため、ある程度の運と、親と子供の関係性が影響しているという事ではないかと感じた。
どっちも同じリスクであれば、どうせなら従業員として気が楽になる自由を選択したほうがいいのではないかというのが、僕の本音である。
従業員の評価は不公平でいい??
そもそも社内で自分と同じ仕事をしているハズの同期が自分よりも高い給料だった場合、おそらく誰でも不公平感を主張するのではないかと思うのだが、Googleは会社として、仕事の行う内容よりも、成果に重きを置くことで、「給料には差がついて当たり前」という割りきった評価制度で行なっている。
成果に重きを置く事は、経営という観点においては非常に合理的な事ではあるが、Google社内では色々な分析を行なっている結果で「成果評価制度」について、ほとんどの従業員が好まれない制度として考えられているという指標も出ているらしい。
KPIとして目標値をセットされて仕事をするということは、数字に追われる感じがとても精神状態が良くない働きをするからでしょうね。
優秀なエンジニアが多いというイメージのグーグラーでも、理論的なタスク管理や進行は、苦手なのかもしれない。
評価
★★★★☆
非常に会社経営にとって参考になる施策が書かれていて、読んで得られる事が多い書籍だと感じました。
採用や教育に関わる人事の仕事を少しでも抱えている人は必ず読んだほうがいいと思いますね。
唯一のネガティブポイントは、ページ数が多く、インデックスが少ない構成と、内容で差し込んで欲しい資料がいくつかあった点ですね。
巻末に書かれている「あなたのチームと職場を返る10のステップ」はすぐにでも実践できるし、その理論を理解するだけでも自ら変われるポイントとして、とても勉強になります。
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