無料のものを有料にすると、ヒトは元を取りたいと考え始める

2016/03/26

マインド 学習

t f B! P L
「無料の心理学」について考えてみたいと思います。 インターネットは基本的にタダで利用することが当たり前と考えている人は、圧倒的に多いと思います。 ニュースサイトを見ることで、新聞が不要になる。 アマゾンを利用して配送費がタダになれば、街の本屋が要らなくなる。 友達の持っている音楽データを貰えば、CDを購入しなくてもよくなる。 LINEやSkypeを使えば公衆電話が不要になる。 スマートフォンがあれば、高価なデスクトップPCなど要らない。 時代の変化とともに道具や思考性が変わっていくことは、ごく自然だとは思いますが、タダということに関しては、価値観を身につけておく必要がありそうです。

日本では、基本的に水はタダ?

家庭では水道代を払っているにも関わらず、レストランでは、席に着くと、無料の水が差し出される。 しかもこれは、日本国民が当たり前だと思っているらしい。 タマに高級なレストランで、席についても水が出ないのでウェイターに頼んだところ、吉牛3杯分ぐらいの金額を請求されて、揉める日本人が多いようですが、その店は水を販売しているので、この客がかなりのモンスターである事は間違いないでしょう。 実はネットで無料という事も、これと同じ事が起きているし、利用者が価値観を持たなければいけない時代なのだと感じますね。

グーグルの無料戦略の裏側

ウェブサービスをタダで提供している最大手は、グーグルだと誰もが言うと思いますが、彼らの収益元は大半が検索エンジンによる、広告収入なのです。 登録者が世界規模のフェイスブックも、収益源は広告収入。 Twitterも、アメーバブログも、スマートニュースも、無料ではなく、裏でトラッキングされ、個人情報ではないカテゴライズされ、それ自体が高額に取引されていたんですね。 テレビ業界が不審なのは、ネット業界にこう言った広告収入が移動しているからという事は、有名な話ですが、地上波からネットに移り変わっているところなのでしょう。 ただし、完全移行するのではなく、ある程度の割合で共存する事になるとは思いますね。

技術はどんどん進歩して推移していく

枯れた技術でも、使えないわけではないですからね。 ラジオ業界や、出版業界も、同じくネットという大きな器に浸食されてしまいましたが、共存していますし、これからも無くならないでしょう。 無料と聞くと、かつての近隣アジアの諸国がコピー天国と呼ばれていたように、「対価を支払わなくてもいい」と取り違えている人種もいるようですが、一番厄介なのは、こういった勘違いしている人達です。 正直、犯罪なので、多くは語らないですが、コピー犯罪はデジタルの世界ではタブーという事を浸透させなければいけないでしょうね。

販売するスキーム

アマゾンを始めとするEC業界では、店舗という露出が、ネットというバーチャルになり、地代が不要になったり、販売地点が世界中どこでも可能になったりと、良い方向に大きく変革しているようです。 ただし、ここでも、タダとの戦いもあり、価値観のある物しか、金を出して購入してもらえないという厳しさは生まれているようです。 コンビニ店舗でレジ前に置かれているお菓子をついでにカゴに入れるなどという行為や、感覚はネット上ではありえないのですが、これは、各々の環境による、心理的な要素なので、各ジャンルで新たに開拓していく必要がありますね。 そして、興味深いのは、アプリやネットサービスで、無料版として使ってもらい、気に入ったら上位版である有料版にするサービスが、ゲームを含めてかなり定着してきています。 ただし、多くの会社が、有料化される為の試行錯誤を繰り返しているようで、これが乗り越えられない企業も少なくないようです。 この辺もちゃんと心理学として、対応する必要があるのですが、興味深かったのは、タダで使っている人は制限を考えずにずさんに使用する傾向がある一方、有料利用している人は、有料版の制限を守ろうと意識が働くようです。

サービスの本筋はマネタイズ

当たり前ですが、ここには秩序と、モラルがあるか無いかという、世界の分岐点が垣間見れます。 もっと突き詰めると、無料版を使っている人は無秩序で、有料版は統制がとれている世界であるとも言えます。 ウィキペディアは、利用者の募金で運営を成り立たせているのですが、無料であるが故に、有志の募金を上回る利用があり、サーバー費やシステム管理費など、圧迫運用している事実もあります。 個人的には、広告収入に切り替えればいいと思うのですが、法人カテゴリが違うから出来ないのでしょうか? 何はともあれ、ネット時代が加速する事は誰が考えても間違い無いので、無料と有料における、秩序と統制をコントロールできるサービス構築が求められているんでしょうね。

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