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この本のタイトルを見た時に、偏ったコミュニティに参加するニートの人のイメージが浮かんだのですが、実は書かれている内容が、大体の人に当てはまる事に気が付き、読み終わった時に非常に参考になりました。
ちなみに、この本の対象者は以下のような人だそうです。
・人の話に興味が無い
・人と積極的に関わろうとしない
・その為世界がどんどん狭まっていく
こうした事を「心が冷める」として、それらを改善するべく啓蒙している、五百田さんと堀田さんという心理学に長けた方が書かれた書籍でした。
感想
まず、書籍としては、非常に読みやすく、章毎に完結にまとめられていて、キチンと図入りでチェックポイントが抑えられており、サラッと読んだだけでも、頭に残る仕組みになっています。
心理学を含め、色々な学者の実験結果などが要所に満載されており、一つ一つが為になり、心に刺さります。
何よりこの本を読む為のモチベーションは、日頃なんとなく心が冷めている状態を自覚している人も多いと思いますが、僕自身もそうした自分を自覚しています。
「心が冷めている人が本を読み終わった時に、改善されているでしょう」と冒頭に言い放ってくれて、その一言がとてもモチベーションを掻き立ててくれました。
実際に、読み終わってみて、これまでモヤモヤしていたモノがスッキリした所がたくさんありました。
もちろん、他の書籍に書かれているような内容もありますが、例え話など非常にうまい文章で書かれていて読み終わった後でもう一度教科書として読み返したくなったので、非常にオススメしたい一冊になりました。
この本のポイント
読者のペルソナがしっかりできているのだと思いますが、僕世代が呼んできた漫画やアニメを非常に取り入れて書かれており、その辺のビジネスセミナーよりよほど為になりました。
中でも、「スラムダンク」に例えて、会社の立ち位置だったり、その人の性格分析をされていて、スラムダンクを読んだことのある人であれば、納得の分析で、同時に人に対する態度や考え方なども分かりやすく解析されています。
とても興味深かったのは「サザエさん」におけるマスオさん分析の章で、「マスオさんは、ひとつも可哀想ではない」という章。
世の中で、婿入して嫁の実家に住み込んでいる人を「マスオさん」と例えてバカにされる風景を、会社内で見かけたことがありますが、マスオさんを分析してみると、ひとつも非がなく、むしろ、会社、家庭、その他色々なコミュニティにおいて、非常に良好な人間関係を築けていて、とても幸せな人生を送っているとのこと。
こうして聞くと、マスオさんの環境を手に入れたいと考えるのも、おかしくはありませんね。
確かに世の中では、単語が「ポジネガ」を決めてしまっているワードが沢山ありますが、
書いている人の穿った見方というよりは、キチンと物事を見て判断できる事がこれだけ重要なのかと改めて考えさせられました。
最後に
田舎から東京に出てきている僕も感じましたが、「東京の人は冷たい」とよく言われ、田舎でも東京でも、よく聞く話ではあります。
でも、東京にいる人の大半が、田舎から出てきた人である事を考えると、東京という土地が悪いわけではなく、様々な環境により、心が冷めている状態になりやすいのだと理解できました。
今では、スマートフォンや携帯電話という、田舎も都会も変わらず、コミュニケーションの距離を縮める道具が繁栄してきて、便利になっている一方、
これらの道具により、もっと心が冷める事象も発生している事も事実です。
ただ、道具が問題ではなく、それを使う人間次第というのは、しっかり認識しないと心が冷めた人になってしまいそうですよね。
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