「ぼっち最強説」を聞いて考えた事

2017年11月7日

学習 日記

某日、中四国で初めて開催される大規模なJAWS-UGに参加してきました。 総勢170名ほどの参加者だったそうですが、中四国の地元の参加率は50%だったとの事です。 東京などからも結構自費で参加している人も多かったらしく、松山という田舎で大きなITイベントに参加できて非常に楽しい気分になりました。 そんな中、基調講演で話をされていたフジテックの友岡賢二さんという常務役の方の「経営組織論」というのが、非常にココロにささったので、僕なりに噛み砕いて記録しておきたいと思います。

経営組織論

会社という組織を運営する上における、組織の在り方を理論で記す事ですが、難しい事は抜きにして、僕なりの解釈としては、この場がエンジニアイベントという事でエンジニア組織における、エンジニアが幸せに叩ける組織についての考え方です。 最近は、エンジニアといえば、色々なイベントが開催されて、書籍なども書かれている有名な方や、色々なサービスを生み出した技術者というのが、新聞や雑誌を賑わせていますが、 まだまだ、社内の片隅でコーディングばかりしているという人のほうが過半数だったりもします。 もちろん、JAWS-UGのようなコミュニティに足を運んでいるアクティブなエンジニアもいれば、自宅に返って休日はゲーム三昧のエンジニアも多数います。 どちらかというとそっちのほうが、数は多いでしょうね・・・ 会社組織では、そうした人たちを含めたエンジニアという組織をちゃんと束ねなければいけないというのが組織論であり、集団管理における経営のあるべき姿なのですね。

「一人ぼっち」の、ぼっち

講義中に安岡さんが「ぼっち最強」と連呼していましたが、これは最後のオチにつながるので、まずは、ぼっちってどういう人の事を指しているのかというと、 技術者のコミュニティに参加する人って、全てのエンジニアからするとやはり、ほんの一握りであることは間違いありません。 こうした大きなイベントであっても、スポンサー企業でなければ、1社の中で1人か2人ぐらい参加するのが関の山でしょう。 実際、僕も、某上場企業で役員をしていた時に、中で働いているエンジニアから、セミナーに誘われたことは1度も無く、僕が無理やり連れ出していたという事を思い出すと、大げさでもなんでもなく、日本ではぼっちは生まれやすい環境であると言えます。 あっ、でも、こうしたイベントに参加したがる人が集まっている組織もあるので、全ての企業がそうではなく、比較的多くの企業がそうであるとしておきます。 その結果、コミュニティに参加するぐらいのアクティブなエンジニアなのに、社内でそうした会話をすると、かならず一人ぼっちなのです。 こうした一人ぼっちって、もちろん心細いですよね。僕もその一人でした。 デブサミにも、一人で参加、AWSサミットも一人で参加、他の会社の開いているセミナーなども大体会社が終わって一人で参加していました。 会社に行くと、その話をしても、興味のある人は話を聞きますが、基本無関心・・・ でも、ある時、会社でAIの事業を行う事が決まり、データマイニングをするスキルが社内に無かった時に、その直前に名刺交換していたデータマイニング専用の会社の人がいて、担当者同士繋ぐと、ちゃんとビジネスとして動き出したではありませんか・・・ これってリアルSANSANのCMっぽいですね。 こうした、会社同士のブリッジ役になりえるのが実はこのぼっちの人だったのですね。 しかし、勘違いしてはいけないのが、社内でハブられているだけの「ぼっち」という意味とは違うので、その点注意してくださいね。 要するに、結節点に成り得るぼっちって最強という説だったのですね。 実体験もあり、非常に納得の行くお話でした。

仕事のモチベーション

ITエンジニアをかかえる企業が、必ず課題にしているのが「従業員のモチベーション」です。 色々な会社から相談される時、100%という確率でこの話題になります。 公演の中に、こうした事で悩んでいる会社の方に対してのある程度の答えになる話があり、「仕事のフレームワーク」という事で説明されていましたが、 基本的に、仕事には、以下の3種類しか存在しません。
1. 自分の好きな仕事 2. 自分のできる仕事 3. どうしてもやらなければいけない仕事
もちろん「自分ではできない仕事」というのもありますが、本来会社組織において、そもそも出来ない仕事を割り当てられる事は、そんなにないと思います。 エンジニアに限って言えば、触ったことのない言語をやるにしても、プログラム知識がある事が大前提になっていたり、過去に類似の経験がある事が元になるので、出来ない仕事は考えなくてもいいのでしょう。 この3つで重要なのが、「どうしてもやらなければいけない仕事」との事で、多くの人がこの3分類をした時に「どうしてもやらなければいけない仕事は、好きではない仕事」と定義してしまうと思います。 何故なら、好きな仕事であれば、1番にプロットするからです。 人は、「若いうちは苦労は買ってでもしろ」と教わってきますが、ここでいう嫌な仕事というのは、若いうちはどんどんやる事に意味があるんですね。 何故なら、多くの人が「やりたい事」を自分で決めてしまって、それ以外は「やりたくない」と定義している場合が多いからですね。 余談ですが、やりたい仕事って、やり続けると飽きますからね。 この「つまらない仕事」をやっているうちに好きになるという場合もあるし、「実はつまらなくない」と思い始めることもしばしばあります。 そこまで行かないにしても、「つまらないけど、難なくこなせるようになる」ということで、得意になる可能性もあります。 実際に、こうして、やりたくないけどそれを専門職にしている人は世の中にはたくさんいます。 公演していた安岡さんも、学生時代は、経営学部(だったと思います)だったのに、就職した当初は、プログラマーとしての作業を割り当てられ、その後情報システム部門について、今ではポリシーを持って、情シス部門を自分の仕事にしている事を考えると、 若いうちに、苦手意識を取り去った結果、成功できるという道の幅を広げたという事がわかります。 仕事のモチベーションは、多くの人が、人から上げてもらえると勘違いしていますが、自ら持ち上げるスキルを持っている人が、色々な事に対して、モチベーション高く取り組むことができるという、自分毎として考えなければいけないことに気が付きます。

ホモフィリーの法則

人は自分と似たものと交流する
参考 : https://makitani.net/shimauma/homophily これは、人は、似た者同士が非常に心地よく、扱いやすい為、自分と似た人とつるみたがる性質を言っていて、 会社という組織においては、似た者同士では、せいこうする可能性が低くなるという事を説明してくれました。 一歩下がってみた時に、似た者同士の会社の従業員であれば、「多様性に欠ける」という見方もでき、誰が考えても、発展性や、成長性に乏しい組織になることは明白です。 何か大きい壁に挑戦してクリアする、自分の反対意見を突っぱねる突破口を見つける、障壁が会った時にちゃんと乗り越えられる。 こうした事は、反発する人がいて初めて得られる経験でもあるので、人や組織は、こうした事に対してちゃんと乗り越えられる免疫をつけなれけば、イケないという事なんですね。 でも、夫婦やペットって、一緒に連れ添っていると似てくるって言いますが、あれば、同じモノを見て食べて、感じるポイント(笑ったり、泣いたり)が似てきて、食べ物などの摂取物が同じであるが故に、体全体が似てくるという医学的な説明もあるので、さほど不思議ではないですが、 会社という箱に入っていると、同じ状況になってもおかしくないかもしれませんね。

人の成長について

リーダーは、人を成長させる事に魅力を感じないと意味がないという事をよく聞きますが、「部下にやらせるよりも自分がやったほうが遥かに効率的」と言って、仕事を進めるマネージャー役職の人がいますが、 部下に任せて、部下が成長して喜んでいることを、知るかどうかに、その人の管理職としての成功があるようです。 実は、作業って自分がやるほうが自己責任で遥かに簡単にクリアできるのですが、人にやらせて成功させるという事がどれだけ難しいかは、年をとると誰でも思い知ると思います。 管理職の方が給料が高いのは、明らかにそうした人をコントロールする事が、作業ベースよりも難しいからなのです。 それに気がついて、人に対して成長させる事が己の喜びとして、きちんと自分の仕事にできている人が、成長できる人と言えるんですね。 ちょっと難しくなったので、下の図で考えましょう。
Labor > Work > Play > Art
これは、人が仕事をする時に、この4階層のどの位置で仕事をするかを表しています。 Laborというのは「労働者」であり、何も考えなくても行える作業をこなすというレベルの仕事で、上司から言われて行なっているという程度の思考で作業を薦めている人のレイヤーです。 Workは、仕事にプライドを持って、その仕事でどういう人に影響を与えて、その仕事による課題をキャッチアップできる事を考えられるレイヤーです。 大きな会社という組織の位置部門を管理する責任者のレベルですね。 Playは、「プロ」の領域であり、やっている仕事にホコリとプライドを持って行っていて、技術スキルなどは超一流レベルというレイヤーです。 会社の経営者などはこのレイヤーと言えますね。 Artは、芸術的なセンスを持って仕事を行う「職人」というのがふさわしいレイヤーで、芸術家などはまさにそうですね。 ここで考えたいのは、この4レイヤーは、会社の役職階層を表しているのではなく、その人の思考により、平社員がArt的なレイヤーで仕事を遂行することも可能であるという事です。 取材などされるレベルの、お店の売り場で伝説的な技能を持つ店員さんなどは、PlayやArtである人もいますが、その会社の経営者は、workレイヤーであるのもよく見かけます。 このレイヤーの話は非常に僕なりに面白く聞けて、今後このフレームを組み立てていく事にも面白味を感じましたね。 さて、これを読んでいるあなたは、どのレイヤーでしょう???

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