今年は夏に向けてスイカの栽培を始めました。毎日育つ姿を見ていると、まるで我が子のようにも感じてきて、毎朝6時には愛情を持って水やりを行うのが日課になっているのですが、IT大好きな僕に新たに「家庭菜園」という趣味が加わった瞬間です。
そんな僕の日課の中で、SNSを通じて、色々な人から問い合わせをいただきます。
元上場会社のCTOという事もあり、独立してから色々な問い合わせをいただき、その内容はエンジニア部門に関する相談が最も多いです。
各社のエンジニア部門の課題
お問い合わせをいただく会社の課題は以下のようなモノがあります。
・経営層に技術の分かる人間がいないので手伝ってほしい
・エンジニアの採用がうまく出来ない
・エンジニア部門の評価制度がうまく構築できない
・エンジニアの流出が激しく査定制度を見直したい
・技術者に対する教育をどのように行えばいいか分からない
・技術者に限らず、従業員のモチベーションを向上させたい
ざっくりとグループにまとめてみると下記のような感じです。
技術責任者、採用、評価・査定、教育、モチベーション
そして、これらの内容に関して僕の考えた内容は以下の通りです。
技術責任者
「社内に技術部門はあるが、技術責任者がいない」という問い合わせで、一体何をお手伝いしてあげれば良いのか聞いてみると、「入社して欲しい」というのがほとんどです。
これはもちろんお手伝いしてあげたいのですが、自分で会社を立ち上げたため、正社員としての参画はお断りしているのですが、外部パートナーや、顧問、コンサルティングであればお受けしています。
でも実際に企業の内部事情を考えると、自前でちゃんと会社の技術をコントロールして管理してくれる人材を正社員として保持しておきたいというのは非常に理解できます。
僕なりに考えたこの問題は、「CTOの採用」なのではないかと考えられます。
いいCTOを採用するいい方法は、あるのであれば、僕も知りたいところですが、その会社に技術部門があるのであれば、その中から1名を選出してCTOとして育成するのが一番いいのではないかと考えられるのですが、そこでの課題は「教育」になってしまうんですかね?
採用
そして、自裁に採用を課題にしている会社は、人事部門の方からの問い合わせで、社長から「3ヶ月以内に数名のエンジニアを採用して欲しい」というような無茶振りに対して、紹介会社にお願いする以外に術を知らない担当者からのHELPが多いようです。
実際に効率的な採用方法とか、今時のダイレクトリクルーティングなどを行っても、実は採用って、運でしかないので、母集団がうまく形成できなければ、その中でいくら面談を行ったとしても、お眼鏡に叶う人は存在しないことになります。
そうです、採用のポイントは「母集団の形成」にあるんですね。
こちらの詳しい内容は、過去記事の
「今時のエンジニア採用手段」を参考してみてください。
今時の知識が必要とされています。
評価・査定
営業部門の評価と違って、技術部門の評価で不公平感があるとの事で相談をいただきます。
「評価制度を見直したい」という事なのですが、ここで技術責任者がいないので、評価制度が作れないという、スパイラルに陥っているようです。
ここでは僕の個人的な意見として「営業部門も技術部門も管理部門も評価は統一にした方がいい」として回答しています。
もちろん、各部門で、それぞれのスペシャリティを評価すべきだとは思いますが、それらは、人による職人技が多く、会社としてその個人技術を細かく評価基準にするという事は、とても難しく、工場生産で一定の作業内容であれば出来るかもしれませんが、イノベーションを求める現場にはふさわしくないと考えられます。
人に対する評価はあくまで人としての評価を行い、目標達成ベースの実績と、勤務態度としての勤怠評価の3本柱が理想だというのが僕の意見です。
実際に目標をどのように作り、どういう手段で達成されたかというのは、その部門の役職者や冗長などの裁量に任せて、今いる人がその中で制度を作り、人が変わればその部分はルール変更するのが、柔軟に対応できる方法ではないでしょうか。
個人的には「CTOが居れば立派な評価制度が作ってもらえる」というのも少し間違った解釈ではないかと思っています。
教育
実際に現時点で教育が行われていない会社というのがいかに駄目な会社かという例を挙げます。
・会社上部の人が忙しくて教育をしている時間がない
・教育をできる技術を持った人材が社内にいない
・何を教育すればいいか分からない
幾つかの会社を経験したことがある人であれば、それぞれの会社での教育がどのように行われていたかを知っていますが、この質問が多い会社の特徴は、経営陣も若手のベンチャー企業です。
または、大手の技術部門にだけ属していてその後独立し、管理部門の事がよく分からないという経営者に多いようです。
実際に教育は多かれ少なかれ行わないといけない事を理解しなくてはいけません。
まず、新卒でも中途採用でも、社員を登用した時に、会社のビジョンや理念、仕事内容やビジネスドメインの事を理解してもらわないといけません。
この時点でただ会社のWEBページに書いてある内容を読み合わせているだけの人であれば、まずは教育のイロハから教えなければいけないのですが、ちゃんと自分の言葉で、魅力を持ってもらえるような説明ができている必要があります。
そして、こうしたOJTも含めた事をちゃんと「社内の教育カリキュラム」として文面化しておくことをオススメします。
これはどんどん更新していっても良いのですが、こうした情報が整理されていないから教育ができない会社になってしまうのです。
理想は、他社のセミナーにどんどん参加し、プレゼン技法や、面白いトーク内容などについて、社内の教育担当を育成する事が必要です。
教える事は、業務ではなく、人が人に物事を伝えるアウトプットとして認識し、それがうまく出来ている会社はコミュニケーションも円滑だと考えましょう。
モチベーション
もっとも厄介な課題がコレです。
現時点でモチベーションが無い会社であれば、きっと従業員の目が腐っているし、社内で会社に対する不満が爆発寸前なのではないかと想定されます。
もちろん、そうではなく、単純に経営陣が従業員に対して、もっとやる気を出して見せてほしいという願望からこうした依頼があることもあります。
実際に従業員がモチベーションを発揮させるにはどうすればいいのでしょう?
簡単に答えると、仕事を楽しく思わせてあげると、自然とやる気も、業務効率もアップします。
難しい言い方をすると、各個人に対して、やっている仕事の意義を理解させて、それをやることで、社会的な影響力などを伝えることで、それに感銘を受けた人は、モチベーッションが向上する、と言われています。
難しくてこの言葉はあまり好きではないのですが、要するに、
今やっている仕事で世の中がこのように変わるという事のストーリーを作ってあげる
これは会社が従業員に対してやってあげなければならない必要最低限だと思っています。
悪い言い方をすると「給料を払っているんだから、ちゃんと働け」と言っていては、従業員は、会社にいる時間を最低限とし、給料分しか働かない組織になります。
ここでの理想は、人にやる気を出させるには、その人のワークライフプランや、将来のその人がどうなっているかという姿を創造させてあげられるかどうかです。
想像できた先にはワクワク感があり、ワクワクした人は、イノベーション能力が発揮されますからね。
会社とエンジニアの関係性
技術部門は営業畑の人たちから見ると、プログラムという難しい作業をして、プログラム言語という、意味難解な会話をコンピュータとしている異色な人という認識があるでしょうが、もちろん彼らも同じ人間です。
ただ、エンジニアは、「変わっている」とは「異色」という事を喜ぶ人も少なくないのが現状なので、よりそうした印象が強いのも事実です。
実際に色々な業種で考えると、エンジニアというのは、会社の製品を確立し、製造する基盤を作る重要な役割でもあります。
優秀なエンジニアというのは、気難しい人や、他のエンジニアから「すごい」と言われる人ではなく、少なくとも仕事をしている会社に対して、ちゃんと貢献できる人材であるという事を定義付けなければいけません。
採用の相談をいただく会社の人事担当や代表の方に、僕が必ず質問するのですが、
技術的に素晴らしいが、人としてはクズな人と、人として素晴らしいが、技術は普通、
この2人が最終選考で選ばれた時にどちらを採用しますか?
技術の分からない人は、技術というのを一つのテスト問題の様に考えているようです。
しかし、個人の習得する技術というのは、常に進化しており、立派な技術者は、常に勉強をしている人というのが本来の技術者の評価です。
過去に何かを作ったことがあり、その時点で評価されていても、その後その技術をどのように伸ばしていくかがその人の技術力量なのです。
会社におけるエンジニアというのは、そうした技術に貪欲な人たちの集団で、エンジニア職以外の事に興味を持たないエンジニアは、ハッキリ言って会社のお荷物になりかねません。
人としてのエンジニアを教育していく組織こそがバランスの取れた製版一体の組織になり得るという事なんですね。
僕個人のスタンス
ちなみに、企業のこうした課題に対して、色々とお手伝いさせて頂ける事を光栄に思っておりますが、フルコミットとしての月金9時5時でのご契約はご遠慮しております。
内部に入って、エンジニアと円陣を作って、「エイエイオー」をやりたいのは山々なのですが、是非ともそれを組織内でやっていただきたくご支援させていただくというのが、僕個人のスタンスでございます。
こうした組織論や採用、教育、モチベーションなどに関しても、日々進化しているのが現状ですので、お問い合わせをいただき、僕自身も勉強させられることがほとんどです。
是非、課題解決の為に、ご一報いただければ幸いでございます。
そう願いながら、本日もスイカの水やりでニンマリしている僕でした。
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