システム相談を受けた時の返答で、コンサルティングの前に助言をするようにしている、ユゲタです。
先日、マッチングで知り合った方から、「とある会社が"課金型のポータルサイト"を作りたいとの相談を受けたので、その見積もりを作ってもらえますか?」
という風にお願いをされた時の話です。
どうやらその人の所属している会社は、IT開発も請け負っている会社なのですが、システム開発がメインで、web系はあまり得意ではないということで、
webマーケティングなどの話も精通しているユゲタに、相談をしたという事らしいです。
いつもなら、そのまま見積もりをお引き受けして、それっぽい見積書を作ってお渡しするという流れになるのですが、
最近の案件で、スムーズにシステム開発が進まなかった事も考慮して、少しお話をしてみると、今回の件に当てはまる会社が多いのではないかと思い、
ブログにそのやり取りを書き残しておくことにしました。
依頼内容
今回お願いされている「課金型ポータルサイト」というのがいまいち理解できていなかったので、深く聞いてみたところ、
「とあるニッチな業界でリアル紙面で発行している、雑誌媒体があるが、web媒体が存在しないため、それを作って課金型にしたい」
というのが、基本コンセプトなのだそうです。
この時点で、なんとなくやりたいことはわかったんですが、それに付け加えて、
「その会社は、あまり大きな会社ではなく、資金もそれほど潤沢ではないので、政府の助成金での採択でシステム開発をすることを考えている」
のだそうだ。
よくある話では有るが、この手の助成金採択は、かなりハードルが高い。
そして、もちろん、採択されなければ、この開発の話はなくなってしまうというのも目に見えている。
これまで、何度も見積もりを書いてきたが、その大半が、受注されずに終わっている事を考えると、政府の助成金採択という壁の他にもいくつもの障壁があるのではないかと思ってしまった。
システム開発の前にやるべきこと
まず、今回要望されているシステムでは、まあまあ具体的な内容も聞いていて、
ターゲットユーゲーは、その業界の人たち
毎週購読してもらう記事を投稿
SEOなども考慮した構成
などなど、その会社の社長承認をもらうために、それっぽいことを書かれていますが、
要するに記事を公開するシステムで、課金型にしたいというモノだという事がわかる。
今の時点で会社のホームページや、その担当者の方が、何かしらのアウトプットがされているのかと聞いたら、
「そういう事は今現在やられていなくて、それをやるために、システムを作りたい」
との事・・・
あぶない・・・
これは、非常に、リスク・ハイ!!!
ボクの本能的な直感がそう思ってしまったので、次のように助言をしておきました。
「まず、今回高額な開発費を支払ってシステムを構築されてから記事公開をされる予定であれば、まずは、無料webサイトやSNSで会社アカウントを作って、そこで記事公開をして、ユーザーの興味度合いなどを確かめてみては?」
この言葉は、ITが苦手で、システムを作って欲しいという会社全体に共通して言えることなんですが、
システムを作ると、想定している通りに事が運ぶと思っている節があり、
立ち上げたシステムでビジネスを展開して、そのビジネスに失敗した場合に、「システムが悪い」という風になってしまうのである。
実は、システムを使った内容が悪くても、システム、または、それを作った開発会社が悪者になってしまう可能性も少なくはない。
ボクの、自己防衛というわけだけではないのだが、その会社にとっても、無駄な費用と労力を、他の会社を巻き込んで行わなくてもいいので、実際に開発を依頼される前に、こうした無料でできることは、やっておく事をオススメしたい。
そもそも、ITが苦手な人は、どうすればいいかというコンサルティングを受けたほうが、システム開発が失敗に終わることを事前に防ぐコツなのかもしれない。
新規事業という魔法のコトバ
そもそも、大金を支払ってシステムを作るという思考になる事を考えてみると、
・ITが苦手
・今現在が下り坂なので、新しい事をITを使って始めたい
・他で成功している事を真似する安心感
こうした心理があると、「システムを作ると、色々と問題ごとを解決してくれる」という風に考えガチなのも、ITが苦手な人の特徴なのかもしれない。
これは、悪口ではなく、おそらく大体のことは、無料でできるし、それを仕事として別の人から教えてもらおうとすると、お金がかかってしまうのである。
いわゆる、情報弱者(略して情弱)という人は、ITで何かをする時に、ITコンサルティングやシステム開発会社などから、カモネギのような食い物にされてしまうんですね。
そもそも、新規事業や、何か新しいことを始める時に、その先の利益にばかり目が言ってしまい、デメリットや失敗した時の事はさほど考えずに、
最善のルートしか見えなくなってしまいます。
ここで、たくさんの失敗を経験してきたボクならではの、助言ができるのですが、ほとんどの方は「そんな事は考えていなかった」と言われますね。
話の落とし所
もちろん、ボクも会社の仕事として受ける場合は、きちんとした見積もりを差し上げますが、「何もわからずシステム開発をする」、且つ「お金がない」という人には、
今一度事前にできることをご自身に認識してもらって、
少なくても、どういったシステムを作るのかというイメージぐらいは持って、開発に進めてもらいたいと考えています。
何もイメージのないままの開発だと、システムを作った跡で、「こんなものではなかった」という出来上がりのイメージがおぼろげに想定していたものと違うという印象を抱きがちです。
この辺の意識合わせを事前に行うことも、システム開発において、非常に大きなステップのひとつなので、やはり十分にヒアリング&思考を、開発前に行うことが、
結果的にスムーズに開発をすすめることもできて、結果的に、コストが高くなってしまうことも防げるというのを、改めて自分で確認できた相談事でした。
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