[読書レビュー] DevOpsの全体像を速習できる電子書籍 (DevOps For Dummies)

2025/06/30

DevOps レビュー

t f B! P L
eyecatch 「DevOps(デブオプス)ってなんですか?」と質問されて、自分でもあまり理解できていなかったので、速習できると書かれていたこの書籍を勢いに任せて速読してみました。 ビジネスにおけるWebサービスの環境をよくしたいと考える人がいたら、是非DevOpsの事を知っておくといいと思いました。

レビュー

★★☆☆☆
基本的に英語書籍の翻訳版なので、わかりやすさなどは期待していなかったのですが、 正直電子書籍のテイストではないUIだったので、正直読みづらかったです。 文字間隔も狭く、ページ内の余白があまりにも多いのに、文字が小さいという構成がどうしてもいただけませんでした。 ただ、DevOpsについての解説は、
(多くの人にとってのDebOps(Development and Operations : 開発と運用の略)は、単なる流行語に過ぎません。 Sanjeev Sharma . DevOpsの全体像を速習できる電子書籍『DevOps For Dummies』 (p. 1). (Function). Kindle Edition. 」
この説明の通りだと理解できました。 DevOpsの中心はクラウドのように考える人も多いけど、実はそうではなく、古くからのオンプレサーバーなどでも当てはまる環境構築ということで、 DevOpsというツールやサービスがあるわけではなく、環境全体をいい感じに構築するその環境自体の事をDevOpsという事だという事が理解できました。

この書籍のポイント

DevOpsの機能

DevOpsのライフサイクル図でわかるように、それぞれのフェイズに応じたツールが必要になります。 「ステアリング -> 開発とテスト -> デプロイ -> 運用」 このサイクルは、そのまま 「Plan -> Do -> Check -> Action」 PDCAサイクルと同じだと考えられます。 それぞれのフェイズにおけるツールや、しっかりと運用をし続けて改善をするというのが、DevOpsの本筋みたいですね。

DevOpsの文化

DevOpsは、ツールが中心ではなく、やはり中で働く人が中心に考えるべきなのだそうです。 この言葉自体が単なるムーブメントなので、DevOpsという言葉を使って内容が希薄な人は、 あまり開発環境を理解できていない人という見方もできそうです。 ざっくりとしたアジャイル開発や、各種フレームワークをうまく利用することで、DevOpsという文化が組織内に出来上がっていくんですね。

デリバリーパイプライン

CICDは、継続的なテストやデプロイという意味で使われますが、自動化を行うというのが1番のポイントで、 安定したツール利用や、安心できる検証環境など、その組織にあったものが用意できるかどうかは、組織内で作られた文化によって大きく変わってきますが、 このデリバリーパイプラインの工程は絶対に変わらないので、この軸から離れないように設計をするのが重要です。

導入事例

この書籍内で、IBMの導入事例が書かれていました。 エグゼクティブという役割を設置して、各所のサポートを行うことで、円滑な導入が実現できたんだそうです。 チームをまとめる重要なポジションでもあることから、改めてリーダーシップ素養や、団体心理学などに長けていなければ、DevOpsは失敗しやすいということもよくわかります。 アジャイル運用から、テスト自動化のテクノロジー対応、
また、IBMのデリバリーパイプラインの図も書かれていて、非常に参考になる資料ですが、所詮は他の組織はあくまで参考程度にしかならないという事も同時に理解しなければいけませんね。 あと、重要ポイントして書かれていたのが、「スピード」です。 DevOpsに関してだけじゃなく、何でもチンタラやってたらダメという事なんでしょうね。

DevOpsの10の誤解

1. DevOpsは、Web生まれの組織にしか向かない 2. DevOpsは、運用チームがコーディングを学ばなければならない 3. DevOpsは、開発と運用にしか役に立たない 4. DevOpsは、ITILを使用している企業には向かない 5. DevOpsは、規制業界には向かない 6. DevOpsは、アウトソーシングでの開発には向かない 7. クラウドがなければ、DevOpsは無意味である 8. DevOpsは、大規模で複雑なシステムには向かない 9. DevOpsで最も重要なのは、コミュニケーションである 10. DevOpsとは、継続的に変更をデプロイすることである
これらは全てまやかしなんだそうです。 詳しくはこの書籍に書かれているので、深くは言いませんが、タイトルを読むと大体わかりますよね。

あとがき

DevOpsという言葉がバズって数年経ちますが、いまだに言葉を知らない企業もたくさんあります。 そもそも、ITに疎い人や、開発組織構成に興味のない会社は、この言葉を知ろうともしていない傾向があります。 この本は、ページ数も少なく、内容もさほど深くはなかったのですが、世の中の同行を知れたことや、 環境構築をどうすればいいか頭をひねっていたタイミングだったので、いい刺激と学習につながりました。

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