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独立して会社の社長になり、他の会社の相談を聞く事が増えてから、それまで自社CTOをしていた時には気がつかなかった事があります。
それは、どの会社もそれなりに悩みがあり、課題が存在するという事。
自社のできていない点が他社はうまくできていて、どうしても劣等感を感じる事が多かったのですが、
どんなにうまくいっている会社でも、何かしらの問題が存在し、従業員はその問題に対して「何とかせないかん」と感じています。
これは、相談を受けた時に、担当者の人が本音で話してくれるのでそうした本質を聞く事ができるのですが、これが単なる他の会社の人というレベルであったら、自社のいいところばかりを羅列して、飲みにいって話している時でもお互いの自慢大会になってしまいがちです。
こうした自社の問題に対して、解決方法が分からないという会社さんからお声がけいただくのですが、そうした問題を課題としてまとめられていない会社について、考えて見たので気になる人は読んで見てください。
見えない課題は不安しかない
自社に何かしらの問題があることはよく分かるのですが、それがどういう課題になっているかがわかっていない会社というのは、どういう状態なのでしょうか?
すこし分かりにくい言い回しをしてしまいましたが、例えば会社の業績は良く、社内コミュニケーションも全く悪くないという会社さんで、エンジニアスキルが高くないという問題点を相談されました。
ただ、早急にスキルアップをするというような課題感ではなく、今現在はSESを使って緊急の技術課題は対応できているとのこと。
社内エンジニアは、ジョブチェンジしたエンジニアがほとんどで、誰もが1年未満ぐらいの業務経験とのことで、エンジニアとしてスペシャリストではないと、開発責任者の方は言ってました。
他の会社の例としては、営業系でWEBサービス販売を行なっている会社で、他社製品の代理販売を今現在メインで行っているのですが、利益率を考えるとどうしても自社サービスを構築して、それをメインに販売していきたいと考えているのですが、優秀な開発担当者を社内で採用できておらず、どうやって取り組んでいけばいいか見えていないという事でした。
これらの会社の特徴としては、きちんと問題点は把握できているのに、その対応策が自分たちで見つけられないという点です。
確かに僕自身も、ベンチャー企業から上場企業に上り詰めた役員の経験があり、その時に自社の問題点を感じつつ、それを解決する方法は全く頭には無かったため、自分ごととして考えた時に、問題を課題に差し替えて推敲する難しさはよく理解できます。
この時点で、コンサルティングに頼る気持ちは非常によく分かりますよね。
課題を見つけるのは勇気が必要
自社の問題点を課題にするには、きちんと本質に向き合い、厳しめにそれに対応する必要があります。
問題が、緊急な問題でない場合、それらをレベルの低い問題として考えがちで、即座に対応しなければいけない対応を検討しがちなのです。
上記の例でも、今現在は現状という信仰があり、問題点は、今後の希望的な目標になっている場合、なかなか課題として対応をする思考になりにくいんですね。
何故なら今はこのままでも問題がないため、わざわざ無理をして強制していく事はないと考えるんでしょうね。
ここで考えたいのは、そうした問題は果たして問題なのでしょうか?会社の将来的なあるべき姿と比べた時に今の会社の問題点として見えてしまうだけなのではないでしょうか?
正直いうと、このレベルの問題を相談された時が僕としては一番困ってしまい、早急に何かしらの対応をしなくてもいいのだけど、緩やかに行う対応策を相談されてしまいます。
そこには、従業員が大きな体質改善を行うわけでもなく、今現状をキープしつつ、そしてさほど大きな無理をする事なく・・・いわゆる「楽に良い方向に改善できる方法を提案してくれ」というやりとりになりがちです。
個人的には、こういう会社さんは、大きな一歩を踏み出す勇気が無く、高い目標を達成するという進み方よりも、着実な小さな一歩タイプの会社が多いため、ドンピシャな解決方法を提案する事を避けるようにしています。
会社のあるべき姿の理想像
問題点を見つけ、課題を模索している会社というのは、非常に良い会社であると考えて良いでしょう。
そもそも、売上も利益もいい会社で、今現状で満足している会社は、さらなる発展は何かしらの運が良くなければ無いわけで、発展性のない会社とも言えます。
それに比べて、将来的に「もっと良く変わっていきたい」と考える人がいる会社は、少なくとも伸び代がある会社であると言えます。
ただし、将来的が5年後10年後という思考である場合、少し夢見がちな体質であるとも言えるので、この将来の感覚を1ヶ月、半年、長くても1年というぐらいの価値観にする事ができれば、体質改善スピードも速くなり、会社内での問題解決がスピード感をもって行える会社になる事ができるでしょう。
ポイントはやっぱり「スピード」なんですが、課題解決方法をキチンと整理して見つけられるという事も重要です。
僕がよく相談いただくのは、その会社の担当者が「他社はどうやって対応しているのか?」という事で、なかなか他の会社の内情を知るのは難しく、そうした相談をよく受ける事ができる僕が、機密保持を守った状態で、ご提案する事が喜ばれているようです。
コンサルティングってそういう風に使ってもらえると非常に便利な存在かもしれませんね。
そして、僕の考える会社の理想像は、こうした課題を常に探し続けて、その課題を解決する方向に持っていく事ができる会社と考えてます。
どんなにクリーンな会社でも、必ず問題が存在します。外向きにそれを伏せて良いところばかりをアピールするよりは、できてない点を外出しして、それをどう解決するかを会社の特性にしてみるのもいいかもしれません。
課題解決する事ができると、一皮向けた様にも見えるので、その会社は着実に成長していける素敵な会社に見えるわけですね。
そして、素敵な会社には素敵な人が集まりますから、課題解決は素敵な対応方法であるかもしれませんね。
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