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2017年AWS-SUMMITが品川で開催されていて最終日に参加してきましたが、冒頭の基調講演でゲストスピーカーとして、テレビなどでもお馴染みの茂木健一郎さんが登壇されていました。
趣旨としては、脳科学者ということで、人工知能についての話結びつけている感じでしたが、聞いている人がAWS利用するエンジニアという事で、ある程度レベルを合わせて話してくれていたのが非常に好感触でした。
とても分かりやすくためになる話でしたね。
茂木健一郎 | Wikipedia
シンギュラリティに対する考え方
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機械の思考が人の思考を追い越す「シンギュラリティ」という技術的特異点を茂木さんはもうすでに来ていると考えており、ここでいうシンギュラリティに「感情」と「パーソナリティ」は含まれていないという定義でした。
シンギュラリティ (技術的特異点) | Wikipedia
具体的には、AlphaGoや将棋のようなパズルゲームを機械と人間が対決したり、画像を特定の動物と判断するような技術は、すでに機械が人を超えていると判断出来るとのこと。
AlphaGo
確かに感情って非常に難しいアルゴリズムで現時点で数式で表すことが出来ていないので、こういう視点でのシンギュラリティはまだ当分先だと思われますが、何かを判定したり認識するということに関しては、機械が上回っていると考えてもいいでしょう。
それは茂木さんは脳科学者なので敢えて言っていたのは、「人の脳は同時に1つの事しか処理できないのだが、コンピュータは複数処理できる時点で、処理能力という時点に関して機械が圧倒的に人を上回っていると言える」そうです。
並行処理の利点
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処理能力での並行処理が何故有効かと言うと、人が同時に複数人の話を聞いて理解することが困難な事は誰でも経験があると思います。
例えば、自動車の自動運転の事を例にあげると、運転免許を取って、初心者ドライバーを脱するのは、大体3万キロ走行すると・・・と言われていますが、1日に100キロ走行しても1年近くかかります。
もちろん、2人でとか3人で、走行しても足し込まれるわけがありません。
しかし、機械学習において、1第のコンピュータの学習データは、別のコンピュータにコピーしたり共有したりでき、100キロ走行する機械が300台あったとすると、1日でペーパードライバーを脱する事が可能という理屈なのです。
何だか寂しく思えますが、そもそも人と機械を比べるという事自体が間違っているとのことですね。
・・・同感です。
幸せとは何か
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脳科学者の茂木さんは人の究極は「幸せになる事」とすれば、何が幸せかという事を考えるそうです。
それは、「No News , No Shoes」という南国のリゾート地で書かれていた文言により気がついたとの事で、ようするに、新聞も履いていく靴も心配しなくて、のんびりすることが人は何より幸せである。という事。
No News,No Shoes 「ギリ・ランカンフシ(Gili Lankanfushi)」
要するに、自然の中で、ルーティーンにとらわれていない状態が幸せだという事です。
確かに、旅行などに言って仕事や現実を忘れている時って幸せですよね。
それが、日々の生活で味わうことができないかというのが今後の機械学習やAIのテーマであり、目標なのだそうです。
AIにより、人がルーティーンに囚われなくなり、より幸せを感じる時間が増やせる。そんな機会を作ることこそ、意義のあるAIの研究といえるのではないでしょうか?
最高の脳
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茂木さん曰く、「子供の脳が世の中で一番最高」なのだそうです。
これは、大人の脳は「遊び心が無くなっている」という理由で、遊び心があれば、最高の脳が作り出せるという理論のようです。
とても面白い話でした。
子供は日々遊ぶことを真剣に考えて、一生懸命遊んでいます。
そしてルーティーンは周囲の大人が全てやってくれるので、まさに南国にいる状態と同じと言えるでしょう。
子育てを考えた時に、遊ぶことを阻害する親がいたとしたら、子供の脳教育を妨害しているとしか思えませんね。
ルーティーン | コトバンク
天才の脳はどう生まれるか?
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そして、その先に天才と普通の人の違いについて、基本的には違いはなく、天才と言われる人も、育った環境や遊ぶ環境がたまたま偶然的に、天才脳を作っただけの事で、それ以外の環境で育っていれば、天才など生まれないたんなるまぐれなのだそうです。
これも非常に納得感ありますね。
頭の悪いことを自分の遺伝子のせいだと思わずに、自分でそうした環境を作るという意識が大事だと言うことが本当によくわかりました。
いつもテレビで拝見している茂木さんの話を直接聞けて非常に面白かったと同時に、少し落ち着きがない人というのもよく理解できました。
恐らく、子供が遊ぶことをいっぱい考えて落ち着かないのと同じように。
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