個人的に苦手な(付き合いづらい)エンジニアのタイプがあります。
人の話が聞けず、個人の意見を主張することに終始してしまうタイプの人なのですが、これは凝り固まった考え方から人の意見を聞き入れにくくなっていて、組織の中に存在すると、非常に厄介者扱いされていがちな人かもしれません。
よく考えたらエンジニアには限らないんですが、今回はエンジニアに絞って考えます。
この間、見事に当てはまるレガシーエンジニアに遭遇したので、備忘録として記事化しておきます。
レガシーエンジニアの特徴
レガシーという言葉は「遺産」という意味なのですが、過去の遺物という内容で、少しディスっている言葉になっているようです。
確かに、年取ったエンジニアにこう呼ぶと怒られる可能性がありますね。
あえて、ここでは、レガシーエンジニアという風に定義つけてみたいと思いましす。
過去の栄冠がある
レガシーエンジニアは、「過去に大手企業にいた」、又は、「大きく成功したプロジェクトに属していた」という人が遺産になりがちです。
しかし、少し勘違いなパターンもあり、「今となっては大物と知り合い、又は一緒に仕事をしていた」という人もいます。
技術に自身がある
当たり前ですが、レガシーエンジニアは、自分の持っている技術に有り得ないほどの自信を持っています。
この技術が偏っていることは言うまでもないが、多くのエンジニアは、新しい技術を嫌い、「昔だったら・・・」を主語として、自分なりの技術に置き換えて、新規技術を習得したがりません。
ただ、彼らもエンジニアの端くれなので、新規技術には非常に興味があります。
自分の知らない技術の話を聞いた場合、帰りに本屋でオライリー書籍を探しているのは間違いないでしょう。
話が長い
過去の昔話をし始めると止まらなくなるのが、レガシーエンジニアの大きな特徴です。
ここでポイントなのは、話す内容が面白くて聞いている方が引き込まれるのであれば何の問題もないのですが、レガシーであるが故に、多くの話が「昔話」に終始します。
そしてそれを聞いている方は、たまらなくラリホー状態になる事が知られています。
人の話を聞かない
冒頭でも言いましたが、自分ではベシャリなのだが、人の話を極力聞きません。
聞くにしても、彼らのデフォルトが、「他人の話に反論する事に命を掛ける」という特性も確認されています。
この反論の意味することは、自分のアピールと思われますが、この時に周囲の若手がドン引きしている事を本人が察知する能力が欠如しているという事でしょう。
論争大好き
自己顕示欲が強いが故に、人を論破する事に麻薬的要素を感じているかのように、論争を好みます。
ただし、自分が論破されることで将棋の試合のように、「参りました」というような結果は有り得ず、彼らの論破はこの世の中に存在せず、「自分の中の正義」を振りかざし、他の人の意見よりは、いかに自分が納得して、周囲の人が仮に納得しなくても、自分が心のなかで納得できたとしたら、彼らは悦に浸り、負けをせずに論争が終了してしまう場合もあります。
要するに彼らは論争においては、負け無しという事なんですね。
だって、人の話を聞かないから・・・
レガシーエンジニアのもたらす被害
レガシーエンジニアが会社組織内にいると、周囲の人が困惑することでしょう。
彼らをマネジメントしなければならない上司が、エンジニアでない場合もあるかもです。
そうした場合は、かなり最悪の結果を招くことになり、彼らはエンジニアでない人からの指図は基本的に受けたがりません。
非常に困ったちゃんの従業員になってしまいます。
リーダーになりがち
また、彼らは年を取っている事が多く、プロジェクトチーム内においても、最年長の場合が少なくありません。
こうなった場合、彼らがリーダーとなり、プロジェクトを指揮しなければいけません。
この場合のプロジェクトメンバー達は、地獄のような環境になってしまうことは誰でも容易にイメージできるでしょう。
そして、彼らが組織内でポジションを獲得してしまった場合、会社の発展を大きく止めることになってしまう事が多くなります。
自分が率いているプロジェクト内は、最新の効率的な言語や環境は有り得ず、レガシーエンジニアの人が理解できる程度の構築が行われ、結果、時代の進化に伴わないシステム構築が行われてしまいます。
組織の方向性とのズレ
もちろん成長するレガシーエンジニアもいますが、人の話を聞かないため、無駄な論争会議が多く、結論が出ずにプロジェクト進行は遅延しがちになるでしょう。
原因は、チーム内の考え方をまとめられないレガシーな考え方に起因していることは間違いないでしょう。
レガシーエンジニアのいいところ
レガシーエンジニアのデメリットをたくさん挙げてきましたが、もちろん彼らにもいいところはあります。
豊富なエンジニア経験
少なくともエンジニアとしてのアルゴリズムという思考を兼ね備えているため、ライブラリに頼るという思考よりは、アルゴリズムを構築できるというスキルは若手エンジニアよりは遥かに高いはずです。
レガシエンジニア同士はすぐに仲良くなる
大体こうしたレガシーエンジニアは1社に1名ぐらいの割合で存在することが多く、社外のレガシーエンジニアと出会った時の彼らは、運命の人を見つけたような感じの衝撃に襲われます。
そして、自分と同じような経験をしている、または、同じぐらいのスキルを持っている。
または、同い年・・・
こうした共通点に対して心を開きます。
あれほど堅物だったレガシーエンジニアが、心を開いた状態になると、信じられないほどの受け入れ体制に入ります。
そんな時の彼らの顔を見ると、呪縛から解き放たれた自然な顔をしているはずです。
レガシーエンジニアの生きる道
こんなおちゃめなレガシーエンジニアは、この先どんな人生をたどるのかというと、僕の周辺では、
- 引き続きお荷物であろうがなんだろうが会社にしがみつく
- フリーランスになる
- 過去の自分の上司のツテで転職を渡り歩く
彼らの周囲に理解者が少ない為、あまり幸せな未来は創造できません。
よく考えると、知識と経験を備えているレガシーエンジニアが、周囲の人の意見を聞く姿勢を持ち、新しい技術をどんどん取り込む姿勢があれば、こんなに心強いエンジニアはそんじょそこらには中々いない存在になるでしょう。
ズレたプライドに気付く事
明らかに周囲とズレている考え方にいち早く自分で気付き、組織に合った自分に改変しなければ、会社からは単なるお荷物とレッテルを貼られる事はそう遠くない未来に訪れてしまいます。
もともと技術が好きという事実は変わらないので、堅物にならずに柔軟な人間性を習得する事を彼らに教育できる人がいれば、多くの会社が抱えるレガシーエンジニア問題を一気に解消できるはずなのに・・・
若手も安心してられない
しかし、若手エンジニアも10年後はレガシーエンジニアになります。
その時に自分はどんなエンジニアになっていたいか改めて考えるいい機会になりました。
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