[映画レビュー] トランスワールド

2025/02/22

レビュー 映画

t f B! P L
eyecatch この映画、実は数年前にすでに見た記録があったんだけど、おそらく夜中に見て、寝落ちしていたのか、まるでストーリーが思い出せない。 アマプラでは常に星4つ以上ついていて、聞いたことも無いタイトルだったので、高品質なマイナー映画であることは事前に理解していた。 そして観た。 面白い! よしブログに書いておこう! 今回はその映画レビューです。

この映画のあらすじ

映画の冒頭は、コンビニ強盗のシーンからスタートする。 いかにもチャラそうな、男と女が拳銃を片手にコンビニを襲撃する。 一方、人里離れた森の中で、ジョディは夫とドライブ中に車の故障で、助けを求めに行った夫を探して、小さな小屋にたどりついた。 そこには、トムという青年がいて、彼も車が壊れて、森の中を彷徨ってこの小屋を見つけ休んでいるところだった。 ジョディは、妊娠をしていて、夫とその報告で、夫の実家に向かう途中だったと話を聞き、トムは親身に彼女を気遣うようになった。 その後、強盗して逃げた先で森に迷い込んだ女(サマンサ)は、同じく小さな小屋にたどり着く。 人気のない森の中に佇む寂れた小屋に、ジュディとトムとサマンサの3人がいたが、食料もなく、とにかく森を抜けようと小屋から色々な方向に進んでいくが、その先には必ず同じ小屋に戻ってしまう。 「まるで、パックマン」とサマンサがつぶやく。 だって、次のステージに進んでも、同じステージに行くばかりで、スタート地点はいつも同じ・・・ 3人は森の中に閉じ込められて出られなくなったことに気が付く。

スタッフ&キャスト

監督ジャック・ヘラー
脚本ショーン・クリステンセン
脚本ジェイソン・ドラン
ジョディサラ・パクストン
トムスコット・イーストウッド
サマンサキャサリン・ウォーターストーン
ハンスショーン・サイポス
ケビンクリストファー・デナム

レビュー

★★★★★
文句なしの満点でした。 意味がわからない状態のシチュエーションの伏線回収が非常に秀逸なストーリー展開で、 映画の途中で、「あれ?これもしかしたら?」と推測することを、映画内の制約されたキャラ達が真実を見つけていく演出がとてもうまい。 映画内の全ての出来事に、理由がつけられていると言ってもいいぐらいに、散りばめられた細かな設定に、シナリオ作成のお手本と言ってもいいぐらいのクオリティを感じました。 限られた空間で、同じ舞台で進む映画は、演劇の舞台でよく観られる演出だけど、映画では、低予算映画として用いられる手法です。 CUBEや、ブレアウィッチプロジェクトなどが、低予算映画の成功例で有名ですが、 この映画、友達に話してもほとんど誰も観たことが無いというぐらい認知度が低い。 ポスター画像なんかは、ゲームっぽく描かれていて、類似映画がなく興味を持たれそうなのに、あまり知られていないというのは、タイトルが問題なのか? 「トランスワールド」の言葉の意味を日本語でわかりやすくしてみると、
直訳すると「世界を超える」「異なる世界をまたぐ」といった意味を持つ言葉。 1. 異なる世界を行き来する概念 - 物理的、精神的、または哲学的な意味で、異なる世界(国・文化・価値観・次元など)をまたぐことを指します。 - 例:「彼の思想はトランスワールド的で、異なる文化を自由に行き来する感覚がある。」 2. 哲学・論理学における意味 -「可能世界論(modal realism)」の文脈で使われることがあり、異なる可能世界をまたぐ存在や概念を指します。 - 例:「トランスワールド・アイデンティティ」とは、ある存在が異なる可能世界でも同じものであるとみなせるかどうか、という議論。 3. ビジネスやグローバルな視点 グローバル化が進む中で、異なる国や業界を超えて活躍することを表す言葉としても使われる。 -例:「トランスワールドな視点を持つ企業は、国境を超えて事業展開をしている。」 ※AIの回答
なるほど、パラレルワールドというと聞き馴染みがあるけど、トランスワールドという言葉もなかなかこの映画にぴったりなタイトルであることがわかった。 ここから先のレビューは、ネタバレになるので、見たく無い人は、下のネタバレコメントはすっ飛ばしてください。

ネタバレコメント

※映画を観ていない人はできれば、観た後でこのコメントを読むことをお勧めします。

映画の本筋は、一見関係ない小屋に迷い込んだ3人の男女が、実は世代を超えた親子関係だという事実が、ストーリー後半で判明する。 会話の節々で、パックマンを知らないとか、直前まで自分がいた場所がそれぞれアメリカのはるか遠くであったことなどから、もしかして・・・と思い始めてから、この映画が一気におもしろくなってくる。 終盤では、世界大戦中のロシア兵が出てきて言葉が通じないのだが、それがジョディのお父さんであることを、どのように信じさせるのか、見ていてイライラするけど、シナリオとしては非常に秀逸だということを露骨に感じてしまいました。 真実を知ってしまった3人は、あまり良くない未来を変えるために、ジョディのお父さんを戦争で死なせないために、立ち上がる。 映画ラストは、絵に描いたようなハッピーエンドになるので、これでレビュー評価が高くなることもよく理解できる。 演出として秀逸だったのは、未来が変わって強盗などしないサマンサの代わりに、別の女が映画冒頭のコンビニに強盗に入って、全く同じセリフを言っているのを聞いた時に、 まさに、パックマン!と感じずにはいられませんでした。

あとがき

この映画おそらく、。もう一回ぐらい見たら、また新たな発見がありそうな気がする。 セットから、話している一言一言に、色々な伏線やら、ギミックがあるんだろうな・・・と思って、 今年中にもう一回観たいと思わせる映画でもありました。 シナリオが面白い超大作はいくつもありますが、低予算映画でこれだけの面白みを出してくれる作品は、自分としてはさほど多くないので、この作品の貴重さを再認識できますね。 でも、こうした秀逸な映画の続編が作られたら・・・きっと、今回ほどの感動は難しくなるのもよくある話なんですよね。

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