世の中の囲い込みプラットフォーム戦略にうんざりした話

2019/02/01

ビジネス 日記

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色々なIT会社の経営者と話をしていて、最近一番盛り上がるのが「プラットフォーム戦略」です。 最近というわけではないですが、システムの受注を仕事にしているような開発会社で「自社開発」を行なって「自社製品」を作って、その製品からのサービス売上を主軸にしていきたいと考えている会社さんは以外に多いようです。 また、開発会社でない企業であっても、社長さんなどがとっておきのアイデアをWEBサービス化やスマートフォンアプリとして作り上げて、それを売上基盤にしたいと考えている会社は大体の会社であれば模索しているはずです。 自ら開発を行い、経営をするタイプの僕としては、こうした相談を受けることも多く、技術アドバイスや、戦略コンサルティングを行うこともありますが、多くの製品が陥っているプラットフォーム戦略の失敗を考えてみると、素敵な未来を想像しやすくなることに気がつきました。

世の中のプラットフォームのダメな点

企業は、競合他社に打ち勝つために、自社独自のプラットフォームでユーザーを囲い込み、便利な環境を提供すると同時にプラットフォームを使い続けるような施策を行なっています。 経営戦略としては非常に重要で、ユーザーを囲い込めた先には、安定した収入が見込めるため、一発販売するような商法よりも、サブスクリプション型のWEBサービスがここ最近は主流になってきています。 大きな会社でいうと、Adobe社のPhotoshopやIllustrator、Premiere、AfterEffectなどのクリエーターアプリケーションがAdobeCreativeCloudとして販売されています。 Adobe社はクリエーターツールにおいては、競合アプリなどは多数あるが、独自のクオリティの高さでほぼ独占と言っても良いレベルです。 続いてこちらも大企業ですが、Microsoft社の「Office365」です。 言わずと知れたエクセルやワードのビジネスアプリですが、これもクラウドサービスとして、これまでの買い切りアプリケーションをWEBのサブスクリプションモデルに変更しています。 企業にとっては、1アプリを数万円で購入していて、バージョンアップの度に出費が嵩む事が重荷になっていたのが、本数に応じた月額費用は、ありがたいと考える企業も少なくないのではないでしょうか? これらの企業は、サブスクモデルの成功パターンと言えるかもしれません。 ポイントは、ユーザーにも企業にもメリットがあるからです。 一方、少し偏った味方にはなりますが、日本の家電メーカーによる製品プラットフォームについてですが、テレビが分かりやすくダメプラットフォームになっています。 テレビは一般的には電源を入れてチャンネルを選択するだけが基本性能になりますが、最近では、ハードディスク録画機能や、動画ストリーミングサービスの表示などWEBに接続する製品も増えてきています。 こうした中、テレビをみるだけなら問題ないのですが、ビデオデッキを買ってきて接続する時に、同じメーカーのものでないと使えない機能が出てきて非常にストレスの溜まるものが多いのが国産テレビの現状です。 それに比べて海外製品は、他の製品と便利に繋げる事を前提に設計されていることも多く、今現在国内メーカーが危ういのは、こうした思想がインターネット社会と逆行しているからではないかと考えられます。 要するに、国内メーカーの作り上げたテレビプラットフォームは、自社のその時しか使えないものが多く、次の年には新製品が出てプラットフォームの仕様が更新されて古い製品すら使いづらくなってしまう現状が非常にクソであると言えます。

第6次産業の思考

何もテレビの事だけを言っているのではなく、WEBサービスにおいても、ユーザーカスタマイズを一切許さないタイプのプラットフォームは、痒いところに手が届かないだけでなく、できない事を補うような設計になっている事が多いため、より操作が複雑になっている節があります。 世の中では「第6次産業」という、複数の産業を組み合わせる新たな経営の形態として、進められていて、インターネットを基盤にする事で便利にビジネスを拡大するという手法が数多く説明されています。 産業は「農業」「工業」「商業」「サービス」というものから、情報通信というレベルまでありましたが、6次産業はそれらの融合だと考えるのが分かりやすいでしょう。 不明な方は、第1次産業から第5次産業まで分かりやすく説明しているページがあったので、みてみてください。 https://nemo841.com/sangyou-bunrui プラットフォーム戦略は、言うなれば第6次産業として、これまでの製品などをより便利に幅広い使い方ができ、ユーザー層を広げるという思考で行うのですが、どうしても日本企業においては、設計段階から幅を狭めて競合他社対策から入ってしまう事が多いようです。 結果、使いやすさやユーザー利便性が二の次になっているので、実際に利用するユーザーが不満に感じる点が増えてしまうのですね。

モノ作り視点で考えるユーザビリティの高いプラットフォームとは

情報過多の世の中で、製品開発をする際に、知財調査を含め、他社が行なっている事を真似するような設計を作ってはそのあとの火消しが大変になります。 ただし、モノつくり視点は、ユーザー視点とリンクさせなくてはいけないため、ユーザーがどうすれば使いやすくなるかを大前提に思考しなければいけません。 テレビがインターネットに繋がって最近の大容量ハードディスクに録画できるという基本がある中、とあるメーカーでは録画したハードディスクは、別のテレビでみることは基本的にできず、テレビ買い替え時にトラブルになっているようです。 また、国産のパソコンやスマートフォンを購入した時に、無駄にインストールされているアプリケーションの多さにびっくりする人も多いでしょう。 こうした企業同士の契約に基づく利便性を無視したアプリ戦略がガラケー時代から横行していました。 ユーザーにとっては迷惑な話ですよね。 一般のユーザーは、その製品の仕様をそのまま受け入れるしかありませんが、エンジニアは、使いづらい製品をより良く作り上げることは不可能ではありません。 NHKなど普段見ないのに、テレビを購入しただけで無条件に受信料を支払わなければいけなくなったり、WEBアプリにデータを連携したいのがDropboxなのに、onedriveしか使えないようなアプリが存在したり、企業製品のこうしたUX部分を考慮した鉄壁なプラットフォームを作れた企業が今後第6次産業を制する事ができる可能性が高いと睨んでいます。 エンジニアの人はチャンスですね。自分のセンスを持ってユーザビリティ設計を行いそれが受け入れられる世の中が来る可能性が高いですよ。 まずは見る目を養う事から初めて見るのもいいかもしれませんね。 世の中の製品が良くなる事を願って、有益なプラットフォームを構築したいと切に望むエンジニアのたわ言でした・・・

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